2022年ウクライナ北東部とロシアの国境での衝突

2022年ウクライナ北東部国境地帯における衝突

2022年のロシアによるウクライナ侵攻において、スームィ州ショストカ地区などのロシアとウクライナの国境地帯で発生した一連の衝突について解説します。

背景

2022年4月4日までに、ロシア軍はキーウ攻勢の失敗を受け、スームィ州から撤退しました。しかし、その後も国境を越えた砲撃は継続されました。

衝突の開始

衝突は、4月6日にウクライナ軍が迫撃砲と多連装ロケット砲でロシアのクルスク地区に越境攻撃を行ったことがきっかけとなり始まりました。ウクライナ当局は、越境攻撃が毎日行われていると発表しました。

戦闘の激化

5月以降、ロシア軍はショストカ地区へのロケット砲攻撃を開始し、民間施設や墓地にも被害が出ました。5月12日には、砲撃により民間人が死亡するという痛ましい事件も発生しました。5月13日には、ロシア軍は無誘導ミサイルを使用して国境の村を攻撃し、その後も砲撃が続きました。5月16日には、ロシア軍がウクライナ国境警備隊の一部を突破し、ショストカ地区に侵入しましたが、翌日には撃退されました。5月21日には、ロシア領から国境の集落に向けて砲撃が加えられ、5月24日にはロシア軍用機がショストカの村を攻撃しました。

攻撃の激化と民間人への被害

5月28日には、ロシア軍用機がウクライナ国境を標的に砲撃し、5月30日には、ブチャの戦いで使用されたフレシェット弾がショストカ地区の国境の村に使用され、民間人への被害が拡大しました。6月4日には、ロシア軍の航空機がスームィ州ショストカ地区の郊外で爆発を起こし、その3時間後には同州のヴェリカ・ピサリフカ地区でも爆発が起きました。砲撃はチェルニーヒウ州でも報告されています。6月8日には、ロシア軍がウクライナ国家国境庁の建物を破壊し、6月10日には、スームィ州とチェルニーヒウ州の国境地域に7回攻撃が行われました。6月19日には、スームィ州のセレディナ・ブダ市が迫撃砲による攻撃を受け、複数の家屋が被害を受けました。

ミサイル攻撃と犠牲者

6月25日には、ロシア軍がベラルーシからチェルニーヒウ州の町に向けてミサイルを発射しました。6月26日には、スームィ州の複数の地域が攻撃され、1人が死亡、1人が負傷しました。この攻撃では150発以上の発射物が発射され、特にクラスノピリア地域では約100発が着弾しました。6月27日にも、クラスノピリアとビロピリアが攻撃され、1人が負傷しました。

砲撃の継続

6月30日には、クラスノピリアに70発のロケット弾が発射され、ヴェリカ・ピサリフカ郊外にもミサイルが着弾しました。また、ホチンやセメニフカも砲撃を受けました。7月2日には、ショストカ地区のシャリヒネが迫撃砲で攻撃され、7月4日にはロシアのヘリコプターがミサイルを発射し、学校の建物が被害を受けました。7月5日には、ショストカ市にミサイル攻撃が行われ、民間企業が破壊され、少なくとも24棟の住宅が被害を受けました。7月12日には、複数の地域が砲撃を受け、7月13日には、スームィ州の4つの村が砲撃されました。7月16日には、エスマンの農場と学校が破壊され、7月17日には、複数の地域が砲撃されました。

日常化する攻撃

7月18日には、フルーヒウ、シャリヒネ、ホチンが砲撃され、ムィコライウカは多連装ロケット砲の攻撃を受けました。7月24日には、スームィ州に12回の砲撃があり、特にシャリヒネ、ミコライフカ、ビロピリア、ホチン、ユナキフカ、クラスノピリアが攻撃され、1人が死亡したと報告されています。ウクライナ当局は、スームィ州とチェルニーヒウ州が毎日攻撃されていることを認めました。7月26日には、複数の地域に迫撃砲が発射され、BM-21による攻撃も行われ、55回の爆発が報告され、女性1人が負傷しました。7月28日には、スームィ州に44回の砲撃があり、ベラルーシ領内のロシア軍部隊がチェルニーヒウ州にミサイルを発射しました。7月29日には、チェルニーヒウ州セメニフカ市が激しい砲撃を受け、同市の行政ビルが大きな被害を受けました。

2022年9月以降の状況

2022年9月以降、ウクライナ軍による東部反攻によりハルキウ州の大半が解放されました。これにより、ベルゴロドとハルキウ間の国境地域も戦線となりました。

この一連の衝突は、ロシアによるウクライナ侵攻の激しさと、国境地域における民間人の安全が脅かされている状況を浮き彫りにしています。

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