2023年ガボンクーデターとは？意味をやさしく解説

2023年ガボン クーデター

2023年8月30日、ガボン共和国において、国軍がクーデターを実行し、政権を掌握しました。このクーデターは、同国を55年に渡り支配してきたボンゴ一族の長期政権に対する国民の不満が背景にあります。

1967年12月にオマール・ボンゴ・オンディンバが大統領に就任して以来、ボンゴ一族はガボンで長期政権を築いてきました。その間、汚職や縁故主義が横行し、国民の不満が高まっていました。また、大統領選挙の時期が、野党が結束できないように何度も変更されるなど、選挙の公正性に対する疑念も存在していました。

ガボンはOPEC加盟国であり、アフリカ有数の石油産出国ですが、その経済的な恩恵は国民全体に十分に行き渡っているとは言えませんでした。一人当たりのGDPはアフリカ大陸で最も高い水準にあるものの、深刻な社会経済危機に直面しており、国民の不満を増大させる一因となっていました。

2023年8月26日に行われた大統領選挙では、現職のアリ・ボンゴ・オンディンバ大統領が3選を果たしたと発表されました。しかし、対立候補であったアルバート・オンド・オッサは、選挙に不正があったと主張し、ボンゴ大統領に平和的な政権移譲を求めました。

クーデターの発生とその後

選挙結果発表後の8月30日、ガボン軍の幹部が国営テレビを通じてクーデターの実行を発表し、ボンゴ政権の崩壊を宣言しました。ボンゴ大統領は逮捕され、息子であるヌーレッディン・ボンゴ・ヴァランタン大統領府統括調整官や、与党・ガボン民主党の幹部らも逮捕されました。

8月31日には、ブリス・クロテール・オリギ・ンゲマが暫定大統領に就任しました。軍事政権は、選挙後から実施されていた夜間外出禁止令を一部解除しました。国内では、主要都市で政権崩壊を祝う人々が現れましたが、リーブルビル港は業務を停止しました。

国際社会からは、民政復帰に向けた具体的な日程を示すよう圧力がかけられています。軍事政権は、2024年10月に新憲法案を提出し、同年末までに国民投票で採択、2025年8月までに総選挙を実施する意向を示しています。

国際社会の反応

ロシア: マリア・ザハロワ報道官は、「我が国の友好国であるガボンの国内情勢が安定することを望んでいる」と述べました。
中国: 汪文斌報道官は、「ガボンの関係者は対話を通じて意見の相違を平和的に解決するように」と求めました。

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