2024年モナコグランプリ

2024年モナコグランプリ：ルクレール、母国で歴史的勝利を飾る

2024年F1世界選手権第8戦、モナコグランプリが5月26日、伝統のモンテカルロ市街地コースで開催された。今大会は、1994年サンマリノグランプリで亡くなったアイルトン・セナ没後30周年という特別な意味合いも持ち、マクラーレンはセナのヘルメットカラーをモチーフにした特別カラーリングでレースに臨んだ。

タイヤとDRS

ピレリは、ハード（C3）、ミディアム（C4）、ソフト（C5）の3種類のドライタイヤを用意。DRSは、ターン16の80m手前からターン19の18m手前までの1箇所に設置された。

フリー走行

5月24日に行われたフリー走行1回目は晴れ、2回目は曇り、3回目は晴れという天候の下、各チームはコース状況の把握、セットアップ調整に注力した。路面温度はセッションによって変動を見せたものの、ドライコンディションが維持された。

予選

5月25日に行われた予選では、母国グランプリを迎えたシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得。3度目のモナコGPポールポジション獲得となった。2番手にはオスカー・ピアストリ、3番手にはカルロス・サインツ、4番手にはランド・ノリスと、フェラーリとマクラーレン勢が好位置を占めた。

一方、7戦連続ポールポジション獲得中だったマックス・フェルスタッペンは6番手と低迷。マシンの「ポーポイジング」による苦戦と、低速・バンピーなコースへの弱さが露呈した。また、予選Q1ではコースサイドのバナーが剥がれ落ちるトラブルが発生し、複数のドライバーが走行に影響を受けた。ハースの2台は、レース後の車検でリアウィングの規定違反が発覚し、失格処分となった。

決勝

5月26日の決勝レースは、ルクレールがポール・トゥ・ウィンで優勝。モナコ人ドライバーによるモナコGP優勝は1931年以来2人目、F1時代では初となる快挙を達成した。表彰式にはモナコ公アルベール2世も参加し、シャンパンファイトで祝祭ムードを高めた。

スタート直後、ターン2でペレス、マグヌッセン、ヒュルケンベルグの3台が絡む多重クラッシュが発生し、約40分間の赤旗中断となった。このアクシデントでは、3台とも大きな損傷を受け、レースは大きく様相を変えることになった。赤旗中断中、サージェントを除く全車がタイヤ交換を済ませたため、レース再開後はタイヤマネジメントが鍵となった。

レースは中断やセーフティカーもなく、ルクレールが終始リードを保ち優勝。2位にはピアストリ、3位にはサインツが入り、グリッド順通りのトップ3となった。角田裕毅は8位で入賞を果たし、2008年の日本GP以来となる快挙を達成。10位までグリッド順通りの結果となり、F1史上初の出来事となった。オコンはガスリーとの接触により10秒ペナルティ、次戦カナダGP5グリッド降格処分を受けた。

その他

・ルクレールの平均速度：109.013 km/h
・ファステストラップ：ルイス・ハミルトン（1:14.165）
・最多ラップリーダー：シャルル・ルクレール（78周）

今大会は、ルクレールの母国での初優勝、そして数々のアクシデントやドラマチックな展開が印象的なレースとなった。今後のF1世界選手権への影響も注目される。

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