2064: Read Only Memories

『2064: Read Only Memories』は、アメリカのゲーム開発会社MidBossが手掛けた、アドベンチャーゲームである。この作品は2015年に最初の版が発表され、その後、複数のプラットフォーム向けにタイトルが改題されて発売された。最初のリリースでは『Read Only Memories』というタイトルだったが、2017年のPlayStation 4|PlayStation_4版の発売に伴い、『2064: Read Only Memories』と改められた。また、モバイル版は『Read Only Memories: Type-M』と呼ばれ、Nintendo Switch版は『2064: Read Only Memories INTEGRAL』として展開されている。

ゲームの舞台

物語の舞台は、西暦2064年のネオ・サンフランシスコ。この未来都市では、サイバネティクスや遺伝子工学の技術が飛躍的に発展している。物語は、AI研究者であるヘイデン・ウェッバーが失踪するという事件から始まる。彼の友人でジャーナリストであるプレイヤーキャラクターと、ヘイデンが開発した人工知能を搭載するロボット、チューリングがタッグを組み、行方不明のヘイデンを探し回りながら、巨大企業パララックスの陰謀に巻き込まれていく。

本作が『2064』と改題された後は、キャラクターボイスが追加され、より没入感のある体験が可能となった。また、Switch版の『INTEGRAL』にはサイドストーリーやデジタルアートブック、サウンドトラックの特典が盛り込まれており、プレイヤーにさらなる楽しみを提供している。

システムと操作

ゲームプレイはオーソドックスなポイント・アンド・クリック形式を採用しており、画面上のオブジェクトを調べることで進行する。オブジェクトを調べると「見る」「調べる」「話しかける」「アイテムを使う」といった選択肢が表示される。プレイヤーの選択によってキャラクターとの好感度が変化し、これはエンディングの分岐にも影響を与える仕組みになっている。最良のエンディングを迎えた後には、「エンドレス・クリスマス」というチャプターが追加され、キャラクターたちとの交流が深まる特別なシナリオが楽しめる。

主なキャラクター

- 主人公: プレイヤーが操作するジャーナリストで、物語の序盤に名前や食のスタイルを設定する。彼女、自分自身の物語に積極的に関わっていく。
- チューリング: ヘイデンが開発した自立思考型AIを持つロボット。球体の頭部に目と口が表示され、コミカルで愛らしいキャラクター。
- ヘイデン・ウェッバー: 謎の失踪を遂げたAI研究者。
- トムキャット: 優秀なハッカーであり、主人公の捜索活動を手助けする。
- レクシー・リバーズ: 警察の捜査官であり、主人公と協力する。

さまざまなキャラクターが物語に深みを与え、それぞれの背景や目的が絡みあいながら展開していく。

背景とテーマ

MidBossは本作を通じて、LGBTQコミュニティやトランスヒューマニズムをメタファーとして取り扱い、多様なキャラクターとストーリーを展開している。特に、ハイブリッドとして描かれたキャラクターたちは、社会の中での差別や偏見に直面しながらも自らのアイデンティティを探求する姿が描かれており、現代社会における重要なメッセージを投げかけている。

開発過程

本作は、Kickstarterキャンペーンでの資金調達を経て開発が進められた。目標額を上回る資金が集まり、その結果、期待される多様なストーリーと魅力的なビジュアルが実現した。

コミック化

また、アメリカの出版社IDWより本作に関連するコミック版も発売されており、全4巻から成るシリーズが展開されている。このコミックでは、私立探偵となったレクシーが新たな冒険に挑む姿が描かれ、ゲームの世界観をより広げる作品となっている。

『2064: Read Only Memories』は、革新性と多様性、多層的な物語を兼ね備えた作品であり、プレイヤーは未来の選択を通じてさまざまな人間ドラマを体験することができる。

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