21世紀国家ビジョン研究会

21世紀国家ビジョン研究会について

21世紀国家ビジョン研究会（にじゅういちせいきこっかビジョンけんきゅうかい）は、日本の民主党に属する特定の議員グループであり、略称として使用される「国家研」という名前や、小沢一郎氏のグループとの区別から「小沢鋭仁グループ」と称されることもあります。メディアによっては、グループ名が「21世紀」の部分を「21C」と省略したり、「国家ビジョン」の部分を「国家モデル」や「国家像モデル」と表記することもあります。しかし、グループの代表である小沢鋭仁氏は、公式な場で「21世紀国家ビジョン研究会」とする見解を示しています。

設立の背景と経緯

このグループは、2010年6月9日に設立されました。鳩山由紀夫氏が内閣総理大臣として辞任し、政治的な引退を決めた直後のことです。この際、小沢鋭仁前環境大臣とその他の国会議員たちが中心となり、グループの結成を呼びかけました。設立メンバーには、羽田雄一郎、五十嵐文彦、大谷信盛、菊田真紀子、北神圭朗、城島光力、高山智司、伴野豊、山花郁夫などが名を連ねました。8月2日には、グループの活動の一環として第1回勉強会を行い、2011年にはその活動を本格化させました。

政治団体としての設立届は同年の2月1日に提出され、4月12日には赤坂に事務所を開設しました。小沢鋭仁氏は次期民主党代表選挙への出馬を考え、グループ内で推薦人集めに力を注ぎました。しかし、支持層が海江田万里経済産業大臣と重なることから、自らの出馬を断念することになりました。

グループの理念と活動

グループの会員は約45人と報道されていますが、事務所開設時の会合には15人ほどの国会議員しか出席していませんでした。21世紀国家ビジョン研究会は、北欧型の福祉国家をモデルにした社会保障政策を推進し、高福祉・中負担の社会を実現することを目指しました。また、彼らはアメリカ型の新自由主義に対して懐疑的であり、経済の不況を悪化させる増税には反対する立場を取っていました。

結成から消滅まで

しかし、2012年11月に入るとグループの運命は変わります。小沢鋭仁氏や事務局長の初鹿明博氏を含む幹部が民主党から除籍されることとなり、この結果、21世紀国家ビジョン研究会としての機能を失い、事実上消滅しました。これにより、グループの活動は終息を迎え、その理念や目標は残るものの、組織としては消えてしまったのです。

まとめ

21世紀国家ビジョン研究会は、日本の政治において一時的に存在感を持ち、高福祉志向の政策を提唱した団体でしたが、政党内での位置づけや環境の変化により、短期間で活動を終えることとなりました。このグループの成立と消滅は、特定の政治的背景や理念の変遷を示す一例といえるでしょう。

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