22/7 (アイドルグループ)

22/7（ナナブンノニジュウニ）

22/7（ナナブンノニジュウニ）は、総合プロデューサー秋元康氏、音楽制作・マネジメントを手掛けるソニーミュージック、そしてアニメの企画・製作を行うアニプレックスの三社共同プロジェクトとして誕生した、日本の女性アイドルグループです。単なるアイドルグループに留まらず、「デジタル声優アイドル」という独自のコンセプトを掲げ、バーチャルとリアルの両側面で活動を展開しています。公式の略称は「ナナニジ」です。

グループの根幹にあるのは、精緻に設定されたキャラクターと、そのキャラクターの声や動きを担当し、同時に実在のアイドルとしてパフォーマンスを行うリアルメンバー（声優）の二軸での活動です。リアルメンバーは、キャラクターの『中の人』としてバーチャルな存在に生命を吹き込む一方、自身もステージに立ち、ファンとの交流を図ります。キャラクターたちはバーチャルアイドルとして、冠テレビ番組やアニメ関連イベントへの出演、バーチャルYouTuberとしての活動、そしてアニメ化やゲーム化といった多角的なメディアミックスの中心を担います。リアルメンバーも、個々の目標に応じた声優活動や一般的な芸能活動に加え、インターネット配信などを通じて積極的に情報を発信しています。

22/7は2016年12月24日、約1万名の応募者の中から選ばれた声優候補生11名によって結成されました。その後、デビューシングル「僕は存在していなかった」をリリースし、ライブやイベントを通じて活動の幅を広げていきます。結成からファーストアルバム発表までの期間は「第一章」と称され、11人体制で様々な挑戦を続けました。メンバーの卒業や加入、二度にわたるオーディションを経て、2022年には14人体制に拡大。しかし、2023年以降、数名のメンバーがグループを離れ、2025年現在は9名体制で活動を続けています。グループはすでに新たなメンバーを募集するオーディションの開催を発表しており、常に変化と進化を求める姿勢を見せています。

グループ名の「22/7」は、円周率の近似値である約3.14を意味し、「想像の象徴」として名付けられました。秋元康氏はこの命名に際し、キャラクター創造における「ゼロからイチを生み出す」作業や、言葉・物語が受け手の解釈によって完成するという持論、そして予測不能な進化を期待する思いを語っています。また、キャラクターを担当する声優という特性を考慮し、リアルメンバーの年齢を非公表とする方針が取られています。キャラクターデザインは、各キャラクターごとに異なるクリエイターが原案を手掛け、それらを堀口悠紀子氏が統一してメインデザインとしています。設定やストーリー原案は漫画家の宮島礼吏氏が担当し、キャラクターデザイナーのアイデアや担当リアルメンバーのリサーチを基に構築されました。

メディアミックス展開は非常に幅広く、テレビ番組としては、バーチャル姿のキャラクターによるバラエティ番組『22/7 計算中|22_7 計算中』や、リアルメンバーが出演する『22/7 検算中|22_7 検算中』、『22/7 計算外|22_7 計算外』などが放送されています。2020年には、グループの結成からを描くテレビアニメ『22/7』が放送され、キャラクターたちの物語や背景が描かれました。また、リズムゲームアプリ『22/7 音楽の時間（通称：ナナオン）』も展開され、六番町学院という舞台でプレイヤーが教師となり、ゲームを通じてアイドル育成やライブを楽しむことができましたが、こちらは2021年末にサービスを終了しています。キャラクターによるバーチャルYouTuber活動や、公式YouTubeチャンネルでのMV配信、様々なプラットフォームでのラジオ番組、そして精力的なライブ活動も、ファンとの重要な接点となっています。

グループ内では、キャラクターのイメージに合わせたユニットも結成されており、「晴れた日のベンチ」「蛍光灯再生計画」「気の抜けたサイダー」といったユニットが楽曲リリースや企画に登場しています。リアルメンバーとキャラクターのペンライトカラーは共通していますが、グッズ制作時には発光の都合で一部色が調整される場合もあります。公式ファンクラブの名称は「ナナニジハウス」です。

22/7は、デジタルとリアルが融合した独自の活動スタイルを通じて、アイドルシーンに新たな風を吹き込んできました。変化を恐れず、常に新しい可能性を追求するその姿勢は、今後の展開にも注目が集まります。

もう一度検索