24時間テレビ 愛は地球を救う3

24時間テレビ「愛は地球を救う」第3回：新たな歴史を刻んだ武道館と徳光和夫の時代

1980年8月30日と31日、日本テレビ系列で放送された『24時間テレビ「愛は地球を救う」』第3回は、番組の歴史に新たな1ページを刻むこととなる、幾つもの“初めて”が生まれた放送回でした。

まず、最大の変化はメイン会場が日本武道館になったことです。これは番組史上初の試みであり、スケールの大きなイベントへと発展していく端緒となりました。武道館のステージは、直前に開催された『輝け!!第6回日本テレビ音楽祭』のセットの一部を流用するなど、準備期間の短縮にも工夫が見られました。

そして、この年から2010年まで長きに渡り番組の顔となる徳光和夫アナウンサーが、初めて総合司会に就任しました。彼の安定感ある進行と情熱的な語り口は、視聴者の心を掴み、番組の成功に大きく貢献しました。一方で、女性総合司会が不在であった点も、この回の大きな特徴です。

番組のメインテーマは『カンボジア・ベトナム・ラオスの難民のために！』と掲げられ、世界的な問題への意識の高まりが感じられます。チャリティー活動の重要性を訴え、多くの視聴者に募金への協力を呼びかけました。

この回から、土曜の夜にドラマスペシャルが放送されるようになりました。第1作は、森繁久彌と北林谷栄というベテラン俳優を主演に迎えた『機の音』です。高齢化社会の問題を丁寧に描いたこの作品は、24時間テレビの趣旨に沿った感動的な内容でした。テレビ番組表では『老人福祉ドラマ「機の音」』と表記されていました。

番組宣伝には、タモリが竹村健一のものまねを披露するという、当時としては斬新な手法が用いられました。タモリの軽妙なトークと、竹村健一への絶妙なパロディは、視聴者の注目を集め、番組への期待感を高めました。

事前番組として『始まるまで待てない!24時間テレビ大予告編』も放送され、番組への期待感を高めるための工夫も凝らされていました。

チャリティー企画として、海外で行われたチャリティーコンサートを生中継するという試みも行われました。タイ・バンコクでのアリスのコンサートと、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴでのゴダイゴのコンサートは、世界規模の支援活動の広がりを象徴するものでした。

総合司会には徳光和夫アナウンサーに加え、萩本欽一が、チャリティーパーソナリティーには石野真子が就任しました。事前番組にはタモリ、アグネス・チャン、B&B、石野真子が出演するなど、豪華な顔ぶれが番組を盛り上げました。

『機の音』には、森繁久彌、北林谷栄の他に、大竹しのぶ、佐野浅夫、笠智衆、丹阿弥谷津子といった、実力派俳優陣が出演し、作品に深みを与えました。脚本は、数々の名作を生み出してきた倉本聰が担当しました。

この第3回『24時間テレビ』は、様々な試みと挑戦によって、番組の新たな地平を切り開いた、記念碑的な放送回と言えるでしょう。武道館という新たな舞台、徳光和夫アナウンサーという新たな顔、そして国際的な視野を持ったチャリティー活動は、後の『24時間テレビ』シリーズに大きな影響を与え、今日の番組の礎を築いたと言えます。

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