3等艦

3等艦とは

3等艦とは、17世紀から19世紀にかけてのイギリス海軍における戦列艦の等級の一つで、主に64門から80門の砲を搭載した艦を指します。通常、2層の砲列甲板を備えていました。

3等艦の歴史

1670年代に制定された最初の等級制度では、70門艦が3等艦、90門艦が2等艦、54-60門艦が4等艦と定められていました。しかし、時代が進むにつれて、これらの基準に当てはまらない艦も建造されるようになったため、3等艦の定義は64門から80門へと拡張されました。このクラスの艦の乗員数は、およそ500名から720名程度でした。

3等艦は、特に74門艦を含んでいたため、戦列艦の中でも最も一般的な等級となりました。74門艦は、より大型の艦と比較して操艦が容易でありながら、1等艦に対抗できる最低限の火力を保持していたため、非常にバランスの取れた艦として重宝されました。また、運用経費も比較的安価であったことも、その普及を後押ししました。

3等艦の重要性

等級制度はイギリス海軍独自のものでしたが、イギリスの作家などはフランス海軍の74門艦を「3等艦」と呼ぶこともありました。18世紀末までには、等級制度は一般的ではなくなり、戦列艦は「74門艦（74s）」のように、搭載する砲の数を直接言及されることが一般的になりました。

3等艦、特に74門艦は、その汎用性の高さから、多くの海戦で重要な役割を果たしました。そのバランスの取れた性能は、海軍戦略において欠かせない存在であり、当時の海洋国家の勢力均衡に大きな影響を与えました。

まとめ

3等艦は、イギリス海軍の戦列艦における重要な区分であり、特に74門艦はその汎用性の高さから広く用いられました。その歴史的背景や戦術的な意義を理解することは、帆船時代の海戦をより深く理解する上で不可欠です。

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