4等艦

18世紀前半のイギリス海軍における4等艦の役割と影響

18世紀前半、イギリス海軍では特定の基準に基づいて艦船が分類されていました。中でも「4等艦」という分類は、46門から60門の砲を装備した戦列艦を指しており、この砲門数は1817年に至るまで維持されました。特に1756年以降、50門未満の砲を持つ艦船を戦列に含めることは危険と見なされていましたが、実際にはこの範囲の艦が多くの海戦で重要な役割を果たしました。

7年戦争やアメリカ独立戦争の時期には、50門艦の建造が続き、特に北アメリカ沿岸の高名な海域ではその存在が評価されました。戦争の進行とともに、4等艦はさまざまな任務を果たし、多くの海域で艦隊を支える存在となっていきます。しかし、フランス革命からナポレオン戦争にかけての時代では、その役割は水の泡となり、60門艦も次第に64門級の3等艦に統合されていくのです。

この過程で、少数の50門艦は船団の護衛や遠隔海域での旗艦として使用され、加えて一部は兵員輸送船としても運用されました。ナポレオン戦争中には、いくつかの4等艦が引き続き現役であり、北海でオランダやバルト海の敵国に対抗する艦隊では64門艦と50門艦が組織されていました。特に、ネルソン提督の指揮したナイルの海戦では、50門艦「リアンダー」が参加し、1807年には重大な事件を引き起こすことになります。

アメリカ海軍においても、44門フリゲート「コンスティチューション」などは、カロネードを含めれば50門以上の火力を有していたため、イギリスの4等艦と同等と評価されていました。ナポレオン戦争の後期や米英戦争の時期においては、いくつかの24ポンド砲フリゲートが新たに4等艦に分類された事例が多く視認されます。これらの艦船は、近距離戦闘において過去の2層式50門艦を圧倒し、時には64門艦とも対等に渡り合えるほどの武力を備えていました。

また、東インド会社などの商船も、海賊対策として重装備を施され、4等艦に匹敵する火力を有するものが存在しました。このように、4等艦は18世紀のイギリス海軍において、様々な戦闘や戦略的役割を担う重要な存在であったと言えます。青空の下、広がる海面を目指して進む艦船たちは、その動きとともに歴史の一部を形作っていったのです。

もう一度検索