33B突撃歩兵砲

33B突撃歩兵砲

33B突撃歩兵砲は、第二次世界大戦中のドイツが開発した特異な突撃砲であり、その設計や性能、戦歴において重要な役割を果たしました。日本では33式突撃歩兵砲やIII号突撃歩兵砲33とも呼ばれることがあります。

構造

この突撃砲は、III号突撃砲のシャーシの上に重装甲の密閉式戦闘室を搭載し、改良された15cm sIG 33/1重歩兵砲を主砲として持ちます。主砲は中央右寄りに配置され、最大30発の弾薬を搭載可能です。旋回や俯仰の可動範囲は、左右に3度、仰角25度、俯角6度であり、戦場での柔軟な対応が可能です。

また、戦闘室の左側にはボールマウントが設けられ、副武装として7.92mmMG34機関銃が装備されています。この副武装は600発の弾薬を携行し、左右それぞれ15度と20度、仰角20度、俯角10度の射界を持っているため、火力の強化が図られています。

装甲の厚さは、前面が80mm、側面が30mm、後面が15mm、上面が10mmと、堅固な防御性能を誇りますが、設計上の粗さも目立ちます。例えば、キューポラが存在せず、車長はハッチから身を乗り出して観察する必要があります。また、照準器も上面の開口部から突き出ているため、実用性に欠ける点もありました。

生産

33B突撃歩兵砲の開発にあたっては、14日間で最低6両、理想的には12両を製作できることが求められました。しかし、実際の生産経緯については異なる説があります。ChamberlainとDoyleによると、アルケット社は1941年7月に12両のIII号突撃砲E型を突撃歩兵砲に改造することが命令され、これらは1941年12月から1942年1月にかけて完成したものの、その後は軍で使用されることはありませんでした。

一方、1942年9月には別の12輌のIII号突撃砲を33B突撃歩兵砲に改造するように再通知されており、既存の車両が作り直されたとされています。その他、TrojcaとJaugitzによる説では、24輌全てがIII号突撃砲B、C、D、E型の修理を通じて1942年9月からアルケット社で製造されたとも述べられています。

戦歴

初めて引き渡された12輌の33B突撃歩兵砲は、1942年10月にドイツ軍に配備され、第177突撃砲大隊と第244突撃砲大隊に分配され、スターリングラード攻防戦に投入されました。その後、残りの12輌は第243突撃砲大隊と第245突撃砲大隊に配備される予定でしたが、ソ連軍の反攻により計画は頓挫しました。

そのため、これらの車両は第17教導大隊の突撃歩兵砲中隊として再編成され、第22機甲師団の一員として戦線に加わることとなりました。戦闘の中で師団は次第に消耗し、残存していた33B突撃歩兵砲は第201機甲連隊の突撃歩兵砲中隊に再編入され、戦争末期まで戦い続けました。

33B突撃歩兵砲についての最後の記録は1944年9月に残され、当時は5輌が現存していたとされています。

脚注

このように、33B突撃歩兵砲はその独特な設計や戦歴から、第二次世界大戦における重要な兵器の一つと言えるでしょう。また、その後のIV号突撃戦車であるブルムベアの開発にも影響を与えています。

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