III号突撃砲

III号突撃砲 (Sturmgeschütz III)

III号突撃砲は、第二次世界大戦中にドイツが開発した装甲戦闘車両です。略称はStuG IIIで、日本では「三突」とも呼ばれています。この車両は、III号戦車の車体を基盤に製作され、約10,500輌が製造されました。その生産数は、ドイツが戦争期間中に生産した装甲戦闘車両の中でも最多です。

概要

突撃砲は、当初から歩兵部隊の支援を目的として設計されました。III号戦車の車体を流用し、敵の防御拠点を撃破するために開発されたこの車両は、砲兵科に所属し、戦車部隊とは異なる役割を果たしました。この兵器は、敵陣地の攻撃から敵戦車との防衛戦闘まで様々な任務をこなし、歩兵にとって大いに頼りにされる存在となりました。

突撃砲は、その機動性の限界から攻撃範囲が狭いため、相対的に機動戦闘には向いていませんでした。一方、戦車は回転式の砲塔を備え、全方位への攻撃が可能です。だからこそ、突撃砲は歩兵の戦闘を支える重要な役割を担っていました。特に大戦中期以降、敵戦車への脅威が高まる中、突撃砲は長砲身の75mm砲を装備して対戦車砲としても活躍しました。主体的に敵の主力戦車を1,000メートル以上の距離から撃破できる能力を持ち、東部戦線においては特に重宝されていました。

歴史

突撃砲の開発は1935年に始まり、エーリッヒ・フォン・マンシュタイン大佐が歩兵に直射火力を提供するための提案から発展しました。その後、75mm砲を搭載した試作モデルが1937年に製造されます。1940年には初の量産型が誕生し、最初は「StuG」と呼ばれていました。

III号突撃砲は様々な型が登場し、各変型は生産の過程でさまざまな改良が施されました。特に重要なモデルはF型やG型で、多くの改良が行われて生産されました。F型は長砲身の75mm StuK 40を搭載し、G型は最終型として7,893輌が生産されました。G型では、戦車長用キューポラの回転式変更が行われ、性能向上を図りました。

バリエーション

III号突撃砲にはいくつかのバリエーションがあり、それぞれ用途や性能において特徴があります。初期型から後期型に至るまでさまざまな修正が加えられ、他のドイツ軍の車両と同様、戦闘の変化に対応していました。例としては、III号突撃砲OシリーズやA型、B型、C型、D型、E型、F型、F/8型、G型など、多数の型が存在します。

最終的には、III号突撃砲はフィンランドやブルガリア、そしてルーマニアなどの連携国にも供与され、戦後もいくつかの国で利用され続けました。特にフィンランドでは「シュトゥルミ」として愛称され、戦闘に利用されるなど、その影響は長い間続きました。これらの車両は第一次中東戦争などでも目にすることができ、戦車の歴史において重要な役割を果たしました。

結論

III号突撃砲は、第二次世界大戦におけるオペレーションの中で、極めて有用な装甲戦闘車両として位置づけられました。その設計、開発、運用において、技術的な革新がもたらされたことからも、戦車や自走砲の発展に大きな影響を与えたといえるでしょう。

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