34丁目の奇跡 (1994年の映画)

映画『34丁目の奇跡』

『34丁目の奇跡』は、1994年に公開されたアメリカのクリスマス映画であり、監督はレス・メイフィールドが務めています。この作品は、1947年に制作された『三十四丁目の奇蹟』のリメイクであり、リチャード・アッテンボローやマーラ・ウィルソンを含むキャストが出演しています。

あらすじ

物語は、シングルマザーのドリー・ウォーカーが老舗デパート「コールズ」で働くところから始まります。ドリーはクリスマスイベントでサンタクロース役を務める人物を探していましたが、その時に出会ったのがクリス・クリングルという老人です。クリスは自分を本物のサンタクロースだと信じており、初めはドリーも彼に対して不安を覚えます。

しかしクリスは、子供たちやその親たちに愛される存在となり、デパートの売上が急増する結果を導き出します。これによって、ドリーの心にも徐々に変化が生じ、自身の過去のトラウマからくる心の壁が取り払われていきます。ドリーは、彼女の娘であるスーザンにも、「サンタは存在しない」と教えていましたが、クリスの誠実さに触れることで心に変化が生まれていくのです。

一方、コールズの競合となるデパート、ショッパーズの社長、ランバーグは、クリスの人気がコールズの利益を押し上げていることを快く思っていません。彼は部下に指示を出し、クリスを貶めようと画策します。部下はサンタ役を奪われた男をそそのかしてクリスに絡ませ、そこで起こる騒動が原因でクリスは逮捕されてしまいます。精神鑑定の結果、彼が異常であると診断され、そのまま精神病院に送られる事態となります。

この混乱の中で、ドリーの友達で弁護士のブライアン・ベッドフォードがクリスの弁護を申し出ます。彼はクリスがあえて異常と診断された理由を見抜き、自らの名誉を回復するために法廷で戦うことを提案します。クリスはその提案を受け入れ、裁判が始まることになります。

裁判

「サンタクロースは実在するか？」という前代未聞の裁判が行われ、検察側のエド・コリンズはこの裁判を軽視していました。しかし、ブライアンの巧みな弁護士ぶりに翻弄され、コールズの全面的な支持も得る中、世論もクリスを応援する声が高まります。しかし、ハーパー判事は心の中でクリスを支持したいと思いながらも、法的な立場では彼を認めるのが難しいことに苦しむのです。

結審の日、クリスマス・イヴという特別な日に、ハーパー判事は判決を下そうとしますが、スーザンが近づき、彼にクリスマスプレゼントを渡します。その中に入っていた1ドル札には「イン・ゴッド・ウィー・トラスト」の文言が印刷されており、これが判事の心を動かします。判事はアメリカが目に見えない神を信じることを公式モットーにする国であることを引き合いに出し、クリスのサンタクロースとしての存在を認める判決を下すのでした。

結末

判決が下された後、クリスはサンタクロースとしての新たな仕事を始めることを告げ、姿を消します。一方で、スーザンは彼に頼んでいた「家族や家、弟」という願いがクリスの導きによって叶い、母親のドリーと弁護士のブライアンが結婚することになります。クリスは本当にサンタクロースだったという感動的な結末を迎え、観客にクリスマスの本質を伝えてくれる作品となっています。

もう一度検索