3人家族

テレビドラマ『3人家族』の概要

『3人家族』は、TBS系列で放送されたドラマで、放送期間は1968年10月15日から1969年4月15日までの約半年間です。このシリーズは「木下恵介アワー」の第4弾として制作され、歴史的にも最大の視聴率を誇る作品となりました。全26回のエピソードが毎週火曜日の21:00から30分間放送され、カラーフィルムで制作されています。

制作背景

ドラマの脚本は、松竹で木下恵介に教えを受けていた山田太一によって書かれた、彼の初の連続ドラマ単独作品です。撮影は1968-69年当時の横浜市内を中心に行われ、国鉄横浜駅や横浜港、山下公園など実際の風景が活用されました。また、主要なセットは松竹大船撮影所にて組まれ、リアルな雰囲気が保たれています。

物語のナレーションはアメリカのドラマ『逃亡者』からヒントを得たとされ、登場人物の心理描写に重点が置かれています。西の横浜に位置する柴田家と稲葉家、それぞれの家庭が物語の中心となります。

あらすじ

この物語は、横浜駅で偶然出会った二人、柴田雄一と稲葉敬子の恋愛を描いています。両者は通勤電車で一目惚れして以来、直接的な接点を持たずに思いを馳せ合いますが、満員電車の中で交わした言葉をきっかけに、お互いの会社がどこにあるのかを把握するまでの展開があります。

同時に、横浜では雄一の弟・健と敬子の妹・明子が知り合います。二組の出会いがきっかけで、物語はますます複雑な恋愛模様へと発展していきます。特に、健と明子の初デートが明けたクリスマスイブに起こる出来事は、彼らの関係を決定的に変えることになるのです。

また、13年前に夫が蒸発した姉妹の母・キク、妻を失った兄弟の父・耕作の存在も物語の中で重要であり、彼らの家族を含む親しい交流も描かれています。親子の絆、恋愛のもつれ、家族の問題が絡み合う中で、登場人物たちはさまざまな葛藤を抱えながら成長していきます。

キャスト

ドラマの主演には、柴田雄一役の竹脇無我と稲葉敬子役の栗原小巻が声高に挙げられます。その他の主要キャラクターとして、弟の健を演じるあおい輝彦、父親役の三島雅夫、妹の明子役で沢田雅美が出演しています。

脇役も印象的で、敬子に思いを寄せる写真家役は中谷一郎、耕作に恋心を抱く家政婦役に菅井きんが取り上げられています。これらの人物たちが織りなす関係性とドラマ展開が視聴者の心を捉えてやまないのです。

音楽と主題歌

音楽は木下忠司が手がけ、主題歌『二人だけ』は、あおい輝彦と瀬間千恵によって歌われ、この作品のムードを一層引き立てています。

『3人家族』はドラマを通じて人間関係の深さや家族の愛情、時には切ない恋愛模様を描き出すことに成功し、多くの視聴者の心に残る作品となりました。

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