42.195km (コブクロの曲)

コブクロが2014年10月15日にリリースした配信限定シングル『42.195km』。この楽曲は、大阪マラソンの公式テーマソングとして書き下ろされた、彼らの音楽キャリアの中でも特別な一曲です。

最大の特長は、コブクロの楽曲としては初めて関西弁が用いられている点です。これまで全国各地を舞台に数々の楽曲を発表してきた彼らですが、地元大阪のマラソンをテーマにした本作では、大阪の街並みや人々の息遣いを感じさせる、親しみやすい関西弁が歌詞全体に織り込まれています。

歌詞の内容は、大阪マラソンのコースを実際に走っているかのような臨場感にあふれています。大阪城や南港大橋など、ランナーたちが目にし、肌で感じるであろうランドマークが次々と登場。単なる地名羅列ではなく、それらが持つ雰囲気やイメージが鮮やかに表現され、聴く者の心に大阪マラソンの情景を深く刻み込みます。

『42.195km』は、2014年9月から開始されたコブクロの3ヶ月連続新曲発表企画における第2弾楽曲という位置づけでもあります。この企画を通じて、彼らが精力的に創作活動に取り組んでいる姿勢がうかがえます。さらに、楽曲のリリースに先駆けて、大阪マラソンの公式ウェブサイトにて10日間限定でフリーダウンロードが提供されました。この大胆な試みは、大阪マラソンへの熱意と、多くのランナー、そして音楽ファンへの感謝の気持ちが込められたものと言えるでしょう。

楽曲自体は、コブクロらしい美しいメロディーと、力強くも繊細なハーモニーが魅力です。3分38秒という比較的コンパクトな尺ながら、大阪マラソンの感動と興奮、そして完走したランナーたちの達成感といった様々な感情を凝縮した、聴き応えのある作品となっています。小渕健太郎による作詞作曲、コブクロによる編曲という、彼らならではのこだわりが随所に感じられます。

後に、『TIMELESS WORLD』や『ALL TIME BEST 1998-2018』といったアルバムにも収録され、ロングセラー楽曲として多くのリスナーに愛され続けています。大阪マラソンという特別な舞台と、コブクロの音楽性が見事に融合した『42.195km』は、彼らの代表曲の一つとして、長く記憶に刻まれることでしょう。

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