48DVD

48DVDとは

48DVDとは、かつて日本で販売されていた光ディスク型のビデオソフトの一種で、開封後48時間のみ視聴可能とされるDVD互換ディスクに用いられた商標です。このディスクは、厳密にはDVDフォーラムの規格に準拠しておらず、DVDロゴも表示されていません。これは、アメリカのFlexplay Technologies社が開発した"EZ-D"技術を利用した製品であり、日本では書籍取次大手の日本出版販売が2005年9月17日から販売しました。

概要

48DVDは、レンタルDVDの代替として低価格で提供されました。発売前から話題となりましたが、当時既にレンタルDVDが普及していたため、その存在意義に疑問を呈する声も多くありました。結果として、販売用としてはわずか3タイトルしか発売されず、2006年には販売終了となりました。ビデオレンタル店や郵送レンタルサービスの普及が優勢となり、販売用光ディスク製品としては普及しませんでした。

EZ-D技術

48DVDに用いられた"EZ-D"技術は、ディスクに特殊な塗料を塗布することで、開封と同時に再生時間が制限されるという仕組みです。このディスクは、当初、記録面が赤く、真空パックされた状態で販売されます。開封すると、空気中の酸素に触れることで塗料が酸化し始め、徐々に赤色から黒色へと変化します。最終的には、ドライブのレーザー光を遮断することで再生できなくなります。

名目上は開封後48時間の再生が可能とされていますが、実際には、保管期間や再生環境、製造時のばらつきなどを考慮して、余裕を持たせた設計となっています。そのため、開封後48時間以上経過しても視聴できる場合があります。しかし、塗料の化学変化は不可逆的に進行するため、時間が経つにつれて確実に再生不可能になります。また、密封状態であっても塗料の劣化は多少進むため、開封前の保存可能期間は約1年とされています。

環境問題とリサイクル

アメリカでは、この使い捨てディスクの特性から、環境保護団体から廃棄物の増加につながるとして抗議を受けました。この対策として、パッケージには回収用の封筒が同梱され、オリエント測機コンピュータがリサイクルを行っていました。

日本でも48DVDは普及しませんでしたが、非売品のプロモーション用ビデオや、雑誌の付録DVDとして採用された事例があります（例：映画『ミッション:インポッシブル3』）。

まとめ

48DVDは、そのユニークなコンセプトで話題を集めましたが、市場のニーズと合致せず、短期間で姿を消した光ディスク製品でした。しかし、その技術は、現在でも一部の用途で活用されています。技術的な興味深さと、市場の動向、そして環境問題への意識など、さまざまな側面から考察できる事例として、記憶に留めておくべきでしょう。

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