4X

4Xゲームとは

4Xゲームは、ストラテジーゲームのサブジャンルの一つであり、「eXplore（探検）」「eXpand（拡張）」「eXploit（開発）」「eXterminate（殲滅）」の4つの要素を兼ね備えたゲームを指します。これらの要素は、プレイヤーがゲーム内で世界を探求し、自身の領土を広げ、資源を開発し、最終的には敵を打ち破るという、ゲームプレイの核となる行動を表しています。

4Xゲームの起源

「4X」という言葉が初めて使われたのは1993年、アメリカのゲーム雑誌「Computer Gaming World」の記事でした。当時、ゲームデザイナー兼編集者であったアラン・エムリックが、SFストラテジーゲーム「Master of Orion」を紹介する際に、この言葉を用いました。彼は、このゲームが持つ4つの主要な要素を、ポルノを意味する「XXX」をもじって「4X」と表現したのです。この表現は、当初はジョークとして用いられましたが、「Master of Orion」の大ヒットをきっかけに、同様のゲームジャンルを指す言葉として広く使われるようになりました。

4Xゲームの特徴

4Xゲームは、その名の通り、4つの主要な要素がゲームプレイの中心となります。

探検（eXplore）: ゲーム開始時、プレイヤーは未知の世界を探検します。未開の土地や資源、他の勢力などを発見し、自らの戦略を練るための情報を集めます。
拡張（eXpand）: 探検を通じて得た情報をもとに、領土を拡大していきます。新たな都市を建設したり、資源を確保したりすることで、自らの勢力を強化していきます。
開発（eXploit）: 獲得した資源を効率的に活用し、経済や技術を発展させていきます。資源の採掘、インフラの整備、研究開発などがこの要素に含まれます。
殲滅（eXterminate）: 他の勢力と衝突した場合、軍事力を行使して敵を滅ぼすことが目標となります。戦略的な軍事行動や外交交渉を通じて、自らの勢力を優位に進めていく必要があります。

これらの4つの要素が複雑に絡み合い、プレイヤーは一つの国や文明の興亡を体験することができます。

4Xゲームの例

4Xゲームの代表的な作品として、以下のようなものが挙げられます。

Master of Orion: 4Xゲームの元祖とも言える作品で、宇宙を舞台にした戦略シミュレーションゲーム。
シヴィライゼーション: 歴史上の文明を率いて世界制覇を目指す、ターン制ストラテジーゲーム。
Stellaris: 広大な宇宙を舞台に、宇宙帝国を築き上げる壮大なストラテジーゲーム。
カタンの開拓者たち: ボードゲームでありながら、4Xの要素を取り入れた作品。資源の獲得や交渉、領土の拡張が鍵となる。
Endless Space 2: 複数の種族が登場する宇宙を舞台にした、ターン制ストラテジーゲーム。

5Xという概念

2003年に「Master of Orion III」が登場した際、4Xに加えて「eXperience（体験）」を加えた「5X」という概念も提唱されました。これは、ゲーム体験そのものを重視する考え方を示唆するものでしたが、広く普及するには至りませんでした。

まとめ

4Xゲームは、ストラテジーゲームの中でも特に複雑で奥深いゲーム体験を提供します。プレイヤーは、探検、拡張、開発、殲滅という4つの要素をバランス良く進めることで、最終的な勝利を目指します。その自由度の高さと戦略性の深さから、多くのゲームファンを魅了し続けています。

脚注

4Xゲームという言葉の由来については、1993年のComputer Gaming Worldの記事が原点である。
5Xという概念は、2003年のMaster of Orion IIIの登場時に提唱された。

関連項目

コンピュータゲームのジャンル
* ストラテジーゲーム

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