5 cm leGrW 36

5 cm leGrW 36（leichter Granatwerfer 36）

5 cm leGrW 36は、ドイツが第二次世界大戦中に使用した軽迫撃砲で、特に歩兵部隊の支援を目的に設計されました。この砲は1934年にラインメタル社によって開発が開始され、1936年にドイツ国防軍によって正式に採用されました。歩兵連隊あたり27門が配備され、主に分隊支援火器として使用されていましたが、その性能にはいくつかの問題がありました。

設計と性能

この砲の射程は最大520メートルと短く、また砲弾の重量は900グラムと軽量でしたが、設計には多くの凝った工夫が施されていました。その一例として、台座に組み込まれた旋回機構や望遠式照準器が挙げられます。しかし、これらの高度な機能が逆にトラブルを引き起こし、前線での評価は必ずしも良好ではありませんでした。特に着弾を見ながら照準を修正できる他国の簡易な迫撃砲に比べると、操作が複雑で高価であり、威力の割に重すぎるという欠点がありました。

1938年には、照準器の廃止が決定され、砲身にそのまま記載された照準線を使用する形に変更されました。この方針転換により、砲の運用がやや簡素化されましたが、依然として砲身の取り扱いや設置に一定の手間がかかりました。

操作と運用

5 cm leGrW 36の運用は通常、2〜3名の兵員によって行われます。砲身は床板に取り付けられており、最初に底板を地面に固定した後、砲身後端のクレードル軸が水平になるよう調整しました。方向の調整はダイヤル式の調整器で行い、高低角度は支柱を倒すことによって数段階に分けて設定しました。ダイヤル式の調整器での微調整も可能でした。また、砲弾は砲口から装填し、発射の際にはトリガーレバーを引く仕組みです。基本的には榴弾のみが使用されました。

戦歴とその後

1942年以降は、5 cm leGrW 36は戦闘の第一線を離れ、二線部隊や予備部隊の装備として位置を変えました。1943年以降は、Kz 8cm GrW 42 短迫撃砲との交換が進められました。その結果、最終生産数は25,842門に達しました。戦争が進むにつれて、その評価はますます厳しくなり、一般的に使用されなくなっていきました。これにより、5 cm leGrW 36は当時の戦闘の一端を支えるものでありながら、技術的な限界や設計上の欠陥によって、その影響力を徐々に失っていったと言えるでしょう。

このように、5 cm leGrW 36は、その歴史や設計意図とは裏腹に、戦争の現場で直面した数多くの課題により、結果として過去の兵器としての評価を受けることとなりました。

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