ラインメタル

ラインメタル社の概要

ラインメタル（Rheinmetall AG）は、エンジニアリンググループとして、軍需・防衛及び自動車部品の二つの主要な事業を展開する企業です。本社はドイツのデュッセルドルフに位置しており、フランクフルト証券取引所に上場しています（FWB: RHM）。

歴史的背景

ラインメタルは1889年にハインリヒ・エアハルトによって設立され、「ライン金属製品・機械製造株式会社」としてスタートしました。初めは火砲の開発と製造を行い、特に有名な製品には120 mm L44滑腔砲がありました。この砲は、レオパルト2戦車（西ドイツ）、M1エイブラムス戦車（アメリカ合衆国）、90式[[戦車]]（日本）など、主力戦車の標準装備として広く採用されてきました。

第二次世界大戦中には、多くの小火器が開発され、特にベルト給弾式機関銃MG42の改良版であるMG1やMG3が有名です。MG3は西側諸国で広く利用され、多くの国でライセンス生産されています。

冷戦後、ラインメタルは他社との協業を通じてビジネスを拡大し、重装甲戦闘車両も手がける軍需コングロマリットへと進化を遂げました。

株式会社の発展

設立から数十年で、ラインメタルは第一次世界大戦の影響を受け、労働者数を8000人から48,000人へと増やしました。しかし1919年にはヴェルサイユ条約の影響により、生産停止を余儀なくされました。その後は民生品から再び兵器の開発に戻りましたが、1933年にはボルジッヒ社を買収し、1936年には両社が合併して「ラインメタル＝ボルジッヒ社」へと改称しました。

1945年には戦後、東西に分割され、東ドイツ側は計画経済に組み込まれ、西ドイツ側は商業活動の禁止に直面しました。1950年には再び商業再開が許可されましたが、当初は民生品の生産が主でした。

1956年には再び国防にかかわる機器の製造が許可され、その後、MG1などの兵器が製造され始めました。1964年には重火器の開発も再開され、1975年には120 mm L44砲が完成しました。

国際的な展開

1993年に銃器メーカーのマウザー社を吸収し、その後もSTNアトラス社やエリコン社の兵器部門を買収し、事業を拡大していきます。現在では、軍需・防衛部門の売上の半分以上が国外に向けたものであり、特にイギリス、アメリカ、オーストラリアなどに強い影響力を持っています。

2022年以降、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ドイツの防衛予算が増加し、ラインメタルは生産能力を強化するための投資を加速しています。2023年度にはウクライナに兵器の修理工場を設立し、新工場も設置予定です。さらに、旧来の生産能力の6倍以上にあたる年間450,000発の新たな生産目標を持つことが見込まれています。この結果、ラインメタルは米国全体の製造能力を超える規模へと成長する可能性をも秘めています。

主な製品

ラインメタルの代表的な製品には、2 cm Flak 30や8.8 cm Flak 41、120 mm L44滑腔砲などがあります。また、車両向けでは、ボクサー装輪装甲車やプーマ装甲歩兵戦闘車などが展開されています。今後も多岐にわたる製品の開発を継続し、国際市場への進出を図ることで、ラインメタルはさらに成長を遂げることでしょう。

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