55 ウォール・ストリート

ナショナル・シティ・バンク・ビルディング

概要

55 ウォール・ストリートに位置するナショナル・シティ・バンク・ビルディングは、ニューヨーク市の金融の中心地であり、歴史的な意義を持つ建物です。このビルは、1827年に開業された前代の取引所の後を受けて、1836年から1841年にかけて建設されました。もともとの取引所は1835年のニューヨーク大火によって全焼し、これを受けて新たに商業取引所が必要とされたため、イザヤ・ロジャーズによって計画されました。

1862年にはアメリカ合衆国税関がこのビルに移転し、その後1907年まで税関として機能しました。税関が立ち退いた後、ナショナル・シティ・バンクの当時の総裁であるジェームズ・スティルマンは、ビルを購入し再改造することを決定しました。チャールズ・フォレン・マッキムらが手がけた改装によって、居住空間を含む新しい施設へと生まれ変わりました。特に、内装はウィリアム・S・リチャードソンとともに大きく変更され、1907年から1910年にかけて進められました。

建築

元々の建物はグリーク・リバイバル様式で設計され、4階建てのファサードとイオニア式円柱が特徴でした。1899年には、ナショナル・シティ・バンクが本社として使用するために改装を始め、チャールズ・マッキムが指揮を取りました。増築により、銀色に輝くコリント式円柱とドームが追加され、豪華な銀行ホールが形成されました。特に内装は、エレガントなグレー大理石と細やかなデザインの手すりが施されていました。

このビルは1965年にニューヨーク市歴史建造物に、1978年にはアメリカ合衆国国定歴史建造物として認定され、歴史的価値が高い建物として保存されています。

近年の利用

1998年にはリージェント・ウォール・ストリート・ホテルとして再建されましたが、2003年に営業を終了しました。現在は、レストランと舞踏会場が併設された分譲アパートメントとして利用されています。特にメイン・バンキング・ホールは、「世界で最もエレガントな舞踏会場」として知られ、多くのイベントが行われています。

また、2002年には歴史的建物としての地位を記念する飾り額が設置されました。

文化的な影響

このビルは映画やテレビ番組にしばしば登場しています。たとえば、2004年の映画『クライシス・オブ・アメリカ』やスティーヴン・スピルバーグ製作総指揮の『メン・イン・ブラック2』、クリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト・ライジング』では、その外観や内部が印象的に利用されています。

まとめ

ナショナル・シティ・バンク・ビルディングは、ニューヨークの歴史的金融地区に位置し、商業活動や文化的なイベントの重要な拠点として活躍しています。建物の壮麗なデザインと歴史的背景は、多くの人々に魅力を提供し続けています。

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