6日間レース (自転車競技)

6日間レースとは

6日間レースは、主に自転車ロードレースのオフシーズンである10月から2月にかけて、ヨーロッパ各地で開催されるトラックレースです。ロードレースの華とも呼ばれ、その歴史は19世紀に遡ります。

歴史

6日間レースの起源は、1878年にロンドンで開催された1000マイルレースです。当初は個人タイムトライアルでしたが、過酷さからドーピングが横行し、1899年に2人1組で走る「マディソン」が誕生しました。この形式がヨーロッパに広まり、現在の6日間レースへと発展しました。

競技概要

6日間レースは、2人1組のペアがマディソンをメインに、デルニーレース、ミスアンドアウト、スクラッチなどの種目で競い合います。マディソンは、ポイントレース型、スクラッチ型、ミスアンドアウト型、タイムトライアルなどに細分化され、多様なレース展開が繰り広げられます。

順位はポイント制が基本ですが、ラップを奪うことでも優位に立てます。五輪や世界選手権のマディソンと同様のルールですが、6日間レースではラップ奪取がより重視される傾向があります。出場ペアは各大会13〜15組程度です。

レースは通常、午後6〜7時頃に始まり、翌日の午前0〜2時頃に終了します。日曜日は家族連れ向けに、午前11時頃から午後5〜6時頃までの開催となります。選手は1日に約150kmを走るため、変速ギアのないトラックレーサーでは非常に過酷なレースとなります。

大会によっては、スプリントやケイリン、チームスプリントなどの短距離種目が行われ、余興として楽しまれることもあります。

競技運営

6日間レースは、連日ほぼ同じプログラムで進行します。レースの間にはタレントによるショータイムが設けられ、観客を楽しませます。BGMが流れ、MCがオーバーアクションを交えながらレースを盛り上げ、選手も観客にアピールするなど、エンターテイメント性が重視されています。

日本では馴染みが薄いですが、ロッテルダムの大会はストリーミング中継されており、北津留翼選手が出場したこともあります。

6日間レースの現状

6日間レースは、サッカーシーズンと重なるため、関心が集まりにくい状況です。しかし、サッカーリーグが中断されるドイツなどでは、かつて人気を博していました。ベルリン6日間レースは100回を迎え、現在も多くの観客を集めています。

しかし、近年はオランダ、ベルギー以外の中欧・南欧地域では開催が減少し、フランスのパリ大会やイタリアのミラノ大会も休止されました。アメリカでも、かつて開催されていた都市でのレースは姿を消しています。ベルギーではシクロクロス人気に押されています。

かつては、エディ・メルクスなどの著名なロード選手がオフシーズンのトレーニングとして参加し、1950〜70年代には全盛期を迎えましたが、ロードレースの広域化やシクロクロスの人気により、ロード選手の参加が減少し、人気も衰退しました。

6日間レースの記録

歴代通算勝利数などの記録があります。

関連項目

トラックレース
マディソン
* イサーク・ガルベス（2006年のヘント6日間レースにおいて死亡）

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