6時のサテライト

6時のサテライト

「6時のサテライト」（ろくじの・サテライト）は、テレビ朝日が1979年4月2日から1981年10月2日まで関東地域向けに放送していたニュースワイド番組です。この番組は、首都圏の重要な情報をわかりやすく提供することを目的とし、視聴者のターゲットを主に主婦層に絞っていました。

番組のスタートと背景

この番組の起源は、1970年に始まったNETテレビ（後のテレビ朝日）での首都圏ローカルニュースにさかのぼります。当初はANN発足とともに放送された「ANNニュース」の枠で提供され、その後1972年に「ANNニュースレーダー」として全国ニュースから分離されました。1975年には、関西のネットチェンジに伴い、全国ニュースの枠に移動したことで、ローカルニュースの新たな時間帯が設けられ、「ANN首都圏ニュース」として放送されるようになりました。

1979年には、これらの流れを受けて「6時のサテライト」が新たに開始されました。この番組は、首都圏各地のテレビ朝日支局・通信局を結ぶ形で、その日の動きを解説するものでした。また、同時に関西では成功を収めた「たいむ6」の影響を受けており、より強化された報道スタイルを採用しました。

番組の特徴

「6時のサテライト」では、特に「女性の視点でニュースを伝える」という方針が強調され、キャスターやコメンテーターには女性が起用されていました。番組を通じて、視聴者との距離を縮めるアプローチを図り、「大宅映子のオヤジ採点」「荒舩清十郎のとばっちりトーク」といった日替わり企画コーナーが設けられ、視聴者の関心を引く工夫がなされました。初回放送のサブタイトルは「登場!!女・ニュース・女」で、女性キャスターたちが中心となって進行しました。

番組終了後の動き

「6時のサテライト」は1981年の終わりを迎えますが、その後もテレビ朝日の首都圏ニュースは続裡に展開され、「ニュースイブニング朝日」（1981年10月-1983年9月）や「首都圏レーダー」（1983年10月-1985年3月）という番組に受け継がれていきました。特に「イブニング朝日」はニュースだけでなく、暮らしやレジャー、子供向け情報も取り入れるなど、新たなスタイルを模索していました。一方で「首都圏レーダー」は「6時のサテライト」同様に報道色が強く、視聴者に日々の重要な情報を提供し続けました。

出演者

番組のキャスターには、RKB毎日放送出身の井上加寿子や、朝日放送出身の藤久ミネ、さらには篠原滋子が務めました。コメンテーター陣には、大宅映子や中井貴恵、澤地久枝らが名を連ね、彼女たちの視点からも様々な意見が提供されました。

「6時のサテライト」は、首都圏における重要なニュースを伝えるだけでなく、女性の視点を大切にし、視聴者との親密な関係を築くことに成功した貴重な番組であったと言えるでしょう。この番組は全体の放送業界においても、視聴者の趣向を理解し、それに沿った情報提供のスタイルを形成する上で重要な役割を果たしました。

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