60分笑いっぱなし!!

『60分笑いっぱなし!!』（ろくじゅっぷんわらいっぱなし）は、1972年1月2日に放送を開始し、同年3月26日に最終回を迎えた、日本テレビ系列で編成されたコメディ番組です。本番組は、日本テレビが自社で制作を手掛けました。

毎週日曜日、午後9時30分から午後10時26分までの時間帯、56分間にわたって放送されました。この番組は、劇場からの公開形式で収録が行われた点が大きな特色の一つです。具体的には、当時、神奈川県横浜市に存在していた初代横浜スカイビルの中に設けられていた「スカイ劇場」が、番組の主な舞台となりました。

番組の中心となっていたのは、「ドサクサ一座」と呼ばれるコメディ集団です。この一座を牽引したのは、当時の日本のコメディ界で人気を博していた坂上二郎氏で、彼は一座の「座長」を務めました。そして、その傍らで一座を支え、番組の笑いを構築する上で重要な役割を果たしたのが、独自のスタイルを持つコメディアン、ケーシー高峰氏です。ケーシー高峰氏は「副座長」として、坂上二郎氏と共に一座、ひいては番組全体のカラーを決定づける存在でした。

「ドサクサ一座」を構成し、番組を盛り上げたレギュラー出演者には、座長の坂上二郎氏、副座長のケーシー高峰氏のほか、当時の演芸界・音楽界で活躍していた多彩な顔ぶれが名を連ねています。具体的には、漫才トリオとして知られるレツゴー三匹、コミックバンドとして人気を博した殿さまキングス、そして落語家でありながらテレビの世界でも広く親しまれていた林家こん平氏などが、定期的に番組に出演し、コメディを展開しました。彼らをはじめとする出演者たちが、スカイ劇場の観客の前で繰り広げるライブ感のあるパフォーマンスが、番組の魅力の一つでした。

『60分笑いっぱなし!!』は、約3ヶ月という比較的短い放送期間ではありましたが、当時の日曜夜に、坂上二郎氏とケーシー高峰氏を中心とした一座による公開コメディという形で、視聴者に笑いを届けた番組として記録されています。初代横浜スカイビルのスカイ劇場という場所から、観客の反応を直接受けながら展開されるコメディは、劇場ならではの熱気をテレビ画面越しに伝える試みであったと言えるでしょう。この番組は、当時のコメディ番組の多様性を示す一例として、また、特定の劇場からの公開放送という形式を採用した番組として、日本のテレビバラエティ史の一角を占めています。出演者たちが一座として活動し、一つの世界観を作り上げるスタイルは、当時のコメディ番組においても見られた形式であり、『60分笑いっぱなし!!』もその流れの中に位置づけられます。短い期間ながらも、当時の人気コメディアンたちが集結し、ライブ形式で笑いを追求した本番組は、当時のエンターテインメントの一端をうかがい知ることができる資料とも言えます。番組名は、その内容が文字通り60分間笑いが絶えないことを目指しているかのような意気込みを示すものでした。

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