67式戦車橋

67式戦車橋について

67式戦車橋（ろくななしきせんしゃきょう）は、陸上自衛隊が運用していた架橋戦車技術の一例であり、戦闘地域での地形障害を克服するために設計された特殊な車両です。この戦車橋は、機甲部隊の機動性を向上させる目的で1961年に防衛庁（当時）と三菱重工業の共同によって開発が始まりました。

開発の背景と運用

当初はM4A3E8戦車を基盤にして開発が進められましたが、後に61式[[戦車]]を基にすることが決定されました。1966年に仮制式になり、1967年に67式戦車橋として正式に採用され、陸上自衛隊における架橋能力のひとつとして位置づけられました。

しかしながら、61式[[戦車]]の生産が優先される中、67式戦車橋への予算が不足し、最終的に試作を含む4両のみの生産に終わりました。その後、70式自走浮橋などの非装甲の架橋機材が導入されたことから、67式はいかなる追加生産もされることなく、陸上自衛隊たる唯一の戦車橋として長く使用されました。1991年から91式戦車橋との置き換えが進み、1993年にはすべての67式が退役しました。

設計と機能

67式戦車橋は、61式[[戦車]]から砲塔を取り除き、シザース式のアルミ製架橋装置を搭載しています。このデザインは、アメリカのM60 AVLBに類似しており、橋梁を水平に載せて展開する仕組みが特徴です。シザース式は敵の目に留まりやすく、展開中は攻撃に脆弱な特性があるため、戦闘用装備としては不向きとされました。

架橋作業の所要時間は約3〜5分で、幅10mの地形障害を克服する能力を持ち、最大で40tの車両が通過することができました。また、戦闘時に12.7mm重機関銃M2を取り付けることも可能で、敵との交戦状態での使用も考慮されています。

主要仕様

• - 架橋装置: 油圧操作
• - 架橋角度: 水平下14度以下
• - 所要時間: 3-5分
• - 架橋構造: 軽金属折畳式
• - 全長: 12m
• - 全幅: 3.5m
• - 最大耐荷重: 40t

製造は三菱重工業が車体及び展開装置を担当し、日本アルミが橋梁部を担当しました。この67式戦車橋は、長年にわたり陸上自衛隊の運用に貢献した重要な兵器であり、その技術と機能は後の装備にも影響を与えました。

関連項目の紹介

67式戦車橋の後に開発された91式戦車橋や、他の架橋装備である81式自走架柱橋や70式自走浮橋などは、67式の後継装備として重要な役割を果たしています。これらの装備は、陸上自衛隊の機動力をさらに向上させるために設計されています。

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