68式自動小銃

68式自動小銃

68式自動小銃は、朝鮮民主主義人民共和国（北朝鮮）でライセンス生産されたAKである58式自動小銃を基に開発された自動小銃です。58式のレシーバー製造方法を切削加工からプレス加工に変更した点が特徴です。

開発の背景

1958年から生産が開始された58式自動小銃は、レシーバーが切削加工で製造されていました。このため、重量増加、生産効率の悪さ、製造コストなどが課題として浮上しました。これらの問題を解決するため、北朝鮮はソビエト連邦のAKMに倣い、レシーバーをプレス加工で製造することを決定しました。

この新型AKM模倣自動小銃は、68式自動小銃として1968年から国営工廠で生産が開始され、後に58式自動小銃の後継として朝鮮人民軍陸軍に採用されました。

構成

68式自動小銃はAKMのコピーモデルとされていますが、完全なコピーではなく、58式自動小銃から発展した独自の設計が取り入れられています。そのため、AKMとの間にはいくつかの差異が見られます。

ハンマーリターダー: AKMの特徴の一つであるトリガー上部右側にあるハンマーリターダーが、68式自動小銃には搭載されていません。トリガー自体もAKMで変更されたものとは異なり、58式自動小銃から特に変更されていません。
レシーバー: AKMと同様にレシーバーをプレス加工に変更したことで耐久性が低下したため、レシーバー左側面にリベットを追加して補強しています。さらに、トリガーガードの耐久性を高めるため、トリガーガードに一本の強化リブが追加されています。
銃身の固定方法: 生産効率を高めるため、銃身の固定方法がAKMと同様の簡略化された方式に変更されています。
ハンドガード: AKMではハンドガード左右に膨らみが追加され、保持しやすくなっていますが、68式自動小銃では従来同様の膨らみのないハンドガードを使用しています。
スリングスイベル: スリングスイベルの位置は、AKMでは銃床下部に変更されていますが、68式自動小銃では58式自動小銃と同じレシーバー左側面後端のままです。
レシーバーカバー: レシーバーカバーも、強化リブを備えたAKMのものではなく、58式自動小銃と同形のものを取り付けています。

派生型

68式自動小銃 1型: 68式自動小銃の銃床をアンダーフォールディング銃床に変更したモデルです。AKSと同様の銃床がベースですが、軽量化のために肉抜きがされています。ただし、軽量化によって耐久性が低下したため、輸出型では通常のものに戻されています。

参考資料

AK Rifle of the Democratic People’s Republic of North Korea
North Korean Small Arms

関連項目

AK
* AKM

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