75式130mm自走多連装ロケット弾発射機

75式130mm自走多連装ロケット弾発射機について

75式130mm自走多連装ロケット弾発射機（MSSR）は、陸上自衛隊によって運用される自走式のロケット砲陣地です。この装備は、地上の部隊を広範囲にわたって支援するために設計されました。開発は1969年に開始され、1973年から実用試験を経て1975年に正式に配備が始まりました。その後、1977年以降に66両が調達されました。1両あたりの価格は1983年に約2億2,000万円とされています。

構造と特徴

75式130mm自走多連装ロケット弾発射機は、73式[[装甲車]]を基にした車体に30連装のロケット弾発射装置を搭載しています。発射装置は、上下に配置された7列、8列、7列、8列という変則配置により、射角を巧みに調整できる形になっています。これにより、発射時の射界は左右に50度、最大仰角50度となり、精密な射撃が可能です。発射機には、車両前方の右側に12.7mm重機関銃M2も搭載されており、ロケット発射時に射線を妨害しないように機構が設計されています。

搭載される75式130mmロケットりゅう弾は、重量43kg、固体燃料の単段式ロケットで、発射方法は単発または0.4秒の間隔で連射する形式を取っています。これにより、迅速かつ高火力な攻撃支援が可能です。

性能

このロケット弾発射機の性能に関しては、以下のような仕様があります。

• - 種別: ロケット砲
• - 口径: 130mm
• - 俯仰角: 0-50°（左右で16°から35°の範囲で調整可能）
• - 最大射程: 約14,500m
• - 発射速度: 約12秒で30発の発射が可能です。

ロケット弾の特性上、風の影響を受けやすいため、射撃前には75式自走地上風測定装置が風力や風向を測定し、必要なデータを元にロケットの発射設定が行われます。これにより、射撃精度の向上が図られています。

配備と運用

75式130mm自走多連装ロケット弾発射機は主に、北部方面隊の第1特科団や師団特科部隊に配備されていました。例外的に、北部方面隊以外では第3特科群第128特科大隊が装備していたこともあります。装備されていた部隊には、特科教導隊や各特科連隊、多連装ロケット中隊が含まれており、約2003年の時点で全車両が退役し、代替機の装備更新が行われました。ただし、湯布院駐屯地など一部の駐屯地では退役車両が展示用として残っています。

メディアでの登場

このロケット弾発射機は、多数の作品に登場しています。映画『平成ゴジラシリーズ』では、しばしば自衛隊の中核として描かれ、特に『ゴジラvsビオランテ』や『ゴジラvsメカゴジラ』などで実車が登場するシーンがあります。また、漫画やゲームにおいてもその姿を確認でき、ゲーム『Wargame Red Dragon』や『War Thunder』では名称を変えて登場し、プレイヤーに親しまれています。

このように、75式130mm自走多連装ロケット弾発射機は、陸上自衛隊における重要な兵器として、また日本のポップカルチャーにも深い影響を与えてきた存在です。

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