78会

78会（ななはち・かい）

78会は、「未来公益」という理念のもと活動する日本の特定非営利活動法人（NPO法人）です。主に1978年1月1日から1979年3月31日までに生まれた人々を中心に構成されており、世代を特定した形で社会貢献活動を行う特徴的な団体の一つです。プロボノワーカーや社会起業家、ソーシャルベンチャーといった形態に分類される活動を展開しており、同様の世代別団体としては、過去に84ismや76会なども存在しました。

設立経緯と目的

団体の起源は、2007年10月に任意団体として発足したことに遡ります。当初は、東京都内に居住または通勤する1978年生まれの経営者や企業の経営層が集まり、「まじめに日本を考える」という共通のテーマのもと議論を重ねていました。彼らの目的は、将来世代に引き継ぐべきより良い日本社会の姿を真剣に模索し、その実現に向けた具体的な行動を起こすことでした。この設立時の想いが、現在の活動の基盤となっています。

2010年8月12日には、活動の幅を広げ、社会的な信用を高めるため、NPO法人としての認可を取得し、特定非営利活動法人78会となりました。

組織とメンバー

現在の78会は、主に東京都内を中心に活動を展開しており、70名を超える会員が所属しています。また、活動範囲は東京に留まらず、福岡、岩手、京都といった地方都市にも支部が設置されており、首都圏と地方の連携を重視した取り組みを進めています。これは、地方の活性化や、地域における人材育成、教育といった分野での課題解決に貢献することを目的としています。

会員構成は非常に多様です。大手企業の従業員から、自ら事業を興したベンチャー企業の経営者、さらにはNPO法人の運営者、弁護士や会計士といった士業家、大学講師など、様々な分野で活躍する人々が集まっています。共通しているのは、社会に対して何らかの貢献をしたいという意識や意欲が比較的高い人々によって構成されている点です。

主な活動内容

78会の活動は、個々のテーマに応じてプロジェクトチームを組成し、企画から実行までを一貫して行う形式で行われています。これにより、会員それぞれの専門性や関心を活かした多様な取り組みが可能となっています。

現在進行中、あるいは過去に実施されたプロジェクトには、以下のようなものがあります。

• - 農業・食分野: 無農薬での米づくり、地域の農産物を活用した6次産業化の推進。
• - 地域活性化: 地方の魅力を発掘し、交流人口や関係人口を増やすための取り組み。
• - 働き方: 多様な働き方を提案するノマドワーキング関連プロジェクト。
• - プロデュース: レストランの立ち上げ支援、研修プログラムの提供、組織の活性化支援。
• - 交流: 会員や外部の人々との交流イベントの企画・運営。
• - 情報発信: 電子書籍の出版など、多様なメディアを活用した情報発信。

米プロジェクト

特に力を入れて取り組んできたプロジェクトの一つに「米プロジェクト」があります。これは、食の安全や農業の未来に関心を持つ30代（プロジェクト開始当時）の一般消費者が主体となり、栃木県矢板市の協力農家から田んぼを借り受け、自らの手で米作りを行うというものです。ここでは、残留農薬226項目で不検出となる完全無農薬・無化学肥料の「武藤農法」を採用し、環境負荷の低い持続可能な農業に挑戦しました。米作りに加えて、畑での作物づくりも同時に行いました。

このプロジェクトでは、単なる農業体験に留まらず、外食産業や保育園など、食や農に関心を持つ様々な事業体と連携しました。付属的なプログラムとして、参加者向けの研修会や子供向けの食育プログラムを開発・実施し、生産の現場と食卓を結ぶコミュニケーションを促進しました。これにより、消費者の農業に対する理解や意識の向上を図りました。78会の田んぼを中心として、「農」と「食」、そして「社会」との間に新たな関係性を構築することを目指した、年間を通じた活動でした。

歴史の要点

• - 2007年10月：任意団体として設立。
• - 2009年：米プロジェクトを開始。
• - 2010年：米プロジェクト2010を実施。
• - 2010年7月8日：交流イベント「78±」を開催。
• - 2010年8月12日：NPO法人として認証される。
• - 2011年：米プロジェクト2011を実施。
• - 2011年7月8日：交流イベント「78±」を開催し、地域情報サイト「ふるさと娘」のウェブサイトを公開。

78会は、同世代の多様なプロフェッショナルが集まり、それぞれのスキルや経験を活かして社会課題の解決や未来への貢献を目指す団体として活動を続けています。

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