80式汎用機関銃

80式汎用機関銃

80式汎用機関銃は、中華人民共和国で開発された7.62mm口径の汎用機関銃です。この銃は、ソビエト連邦が1960年代に開発したPKM汎用機関銃を参考に開発されました。

概要

80式の開発ベースとなったPKM機関銃は、ミハイル・カラシニコフが設計したPK汎用機関銃の改良型です。PKMは、銃身の簡略化や、生産効率の向上、軽量化を目的とした部品の製造方法の変更（切削加工からプレス加工への変更）などが施されています。1969年の配備開始以降、旧東側諸国や南アジア、アフリカなどの地域で広く採用され、開発国のロシアでも運用が継続されている傑作機関銃です。

中国は中越戦争時にベトナム人民軍からPKMを鹵獲し、1979年にリバースエンジニアリングによる国産化に着手しました。翌1980年には開発が完了し、正式採用。1983年から生産が開始されました。

成都軍区の歩兵学校で行われた67式汎用機関銃および改良型の67-I式との比較試験では、80式が射撃精度、重量、銃身寿命などの面で優れているという結果が出ました。しかし、80式は一般部隊には配備されず、特殊部隊や空挺部隊などの精鋭部隊への配備にとどまっています。この理由としては、67式がすでに中国人民解放軍で広く配備されていたこと、80式の生産認可の1年前に67-II式の生産が開始されたことなどが挙げられます。そのため、生産された80式の多くは海外へ輸出されました。

派生型

86式同軸機銃
中国版PKMTとも呼ばれます。80式と異なり、96式戦車や11式装輪突撃車などの中国製装甲戦闘車両に搭載されています。
CS/LM4
7.62x51mm NATO弾を使用する輸出仕様です。

採用国

中国
カンボジア
シリア
スリランカ
タイ
ベネズエラ
バングラデシュ
BD-14としてバングラデシュ造兵廠でライセンス生産されています。
マルタ

関連項目

56式自動歩槍 - AK-47のライセンス生産品。
CQ 311 - M16のコピー品。
73式軽機関銃 - 北朝鮮で開発されたPKの派生型。PKMも82式として生産されており、一部の特殊部隊に配備されています。
UKM-2000 - ポーランドで開発されたPKの改良型。
CS/LM1汎用機関銃 - FN MAGのコピー品。

もう一度検索