81号型特務艇

81号型特務艇について

81号型特務艇（英語: ASU-81 class target support crafts）は、海上自衛隊に属する特務艇の艦級であり、1967年度から1972年度にかけて合計5隻が建造されました。当初は支援船として就役しましたが、外洋での任務が増え、救難活動を行う義務があったため、1977年4月18日に自衛艦籍を取得しました。この艦級は、訓練標的の曳航や訓練弾の回収などに活躍し、最終艇である2002年10月に除籍されました。除籍された艇のうち一隻は、海上自衛隊第1術科学校の岸壁に係留され、船舶型訓練機材として利用されています。

設計について

81号型特務艇の船体デザインは、中型掃海艇（MSC）と似た造りを持ち、船首楼型かつ角型の形状となっています。この外見上の類似性は、設計担当者が同じだったことに起因しています。設計はJG鋼船規則に基づいて行われ、装備品の多くも一般的な舶用品が使用されています。主機関には、赤阪鐵工所製の直列3気筒のUHS27/42中速ディーゼルエンジンが採用されました。

艦の中部にはデリックが設けられ、2トンの力量を持つブームが2本搭載されています。後甲板には、これによって回収できるHSS-2ヘリコプター1機を乗せることができるようになっていましたが、実際にはヘリコプターの回収は難しいことが判明し、最終的には85号艇において2トンの油圧クレーンに変更されました。また、82号と83号艇にはKD2R-5低速標的機の運用能力があり、最大6機を搭載可能で、対空射撃訓練の支援を行うことができました。艦隊訓練用の標的を曳航することも行い、陸岸への曳引力は12.3トンに達します。

装備と機能

81号型特務艇には、OPS-10というレーダーが搭載されていますが、84号艇にはOPS-29、85号艇にはOPS-19が装備されています。艦橋の上部構造には、放水銃が2基設置されており、艦の防火能力を強化しています。また、6メートルのカッターは右舷の煙突のそばに搭載しています。これにより、迅速な対応が可能になります。

この艦級は、海上自衛隊における特務艇の重要な役割を果たし、訓練や救助活動で多くの実績を残しました。その設計や装備の変遷を考えると、時代のニーズに応じて柔軟に対応してきたことが伺えます。現在は除籍されているものの、かつてのその存在は、多くの海上自衛隊の活動に寄与し、歴史の一ページを飾っています。

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