87式自走高射機関砲

87式自走高射機関砲について

87式自走高射機関砲（はちななしきじそうこうしゃきかんほう、略称：87AW、愛称：スカイシューター）は、陸上自衛隊が運用する自走式の対空砲です。1987年の制式化以来、航空機やミサイルの脅威に対抗するために重要な役割を果たしてきました。

開発経緯

87式自走高射機関砲の開発は、1978年に始まりました。アメリカから供与されたM42自走高射機関砲やM15A1対空自走砲の後継として位置づけられています。初期の構想は61式[[戦車]]をベースにしていましたが、砲塔が大型化したために74式[[戦車]]の新たな車体を用いることに決まりました。その結果、1982年には全体の試作が始まり、1983年に試作車両が完成しました。そして1987年に正式に部隊での運用が開始されました。これまでの試作には92式地雷原処理ローラ用の装着部が含まれていましたが、量産車では取り除かれました。

設計と機能

87式自走高射機関砲の設計は、車体部分が三菱重工業、砲塔部分が日本製鋼所によって造られています。乗員は砲班長、射手、操縦手の3名で構成されます。左右にそれぞれスイスのエリコン社製35mmの対空機関砲を1門ずつ装備し、砲塔の後方にはパルス・ドップラー方式の索敵と追尾レーダーが配置されています。これにより、昼夜を問わず敵機に対する探知と攻撃が可能です。さらに、様々な光学照準システムや映像装置を装備し、障害物がある状況でも効果的な運用が可能です。

また、発煙弾発射機を装備し、攻撃からの防御手段も整えています。特に注意すべきは、消費電力の高いレーダーを同時に使用するための補助動力装置（APU）が搭載されている点です。これにより、長時間の運用が可能となっています。

運用と配備

87式自走高射機関砲は、陸上自衛隊の第2師団や第7師団などに配備されていますが、その調達コストが高いため、限られた数しか導入されていません。近年の調達数は少なく、52両で生産が終了しました。また、他国ではこの自走高射機関砲に小型の地対空ミサイルを併せたハイブリッド型に改修して運用する事例も見られます。

作品への登場

87式自走高射機関砲は、映画やアニメ、ゲームにおいてもその姿を見せています。『ガメラ2 レギオン襲来』や『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』など、様々な場面でその存在が描かれています。特に、映画ではそのリアルな運用が視聴者に強い印象を与えました。

まとめ

87式自走高射機関砲は陸上自衛隊の防空能力を担う重要な装備であり、今後もその技術の進化や運用法の見直しが求められるでしょう。高性能な火力とレーダーを持つ本機は、現代戦においてもその役割を果たす存在です。

もう一度検索