9 1/2 NINE HALF

河合奈保子のアルバム『9 1/2 NINE HALF』

『9 1/2 NINE HALF』は河合奈保子の12作目のオリジナルアルバムで、1985年12月12日に日本コロムビアから発売されました。このアルバムは、アメリカのロサンゼルスで制作され、前作『DAYDREAM COAST』に続くものとして位置付けられています。アメリカの一流ミュージシャンたちを起用したこの作品は、特にAOR（Adult Oriented Rock）ジャンルにおいても重要な位置を占めています。

制作の背景

本アルバムでは、全ての作詞・作曲をL.A.の著名な作詞家および作曲家が手がけており、売野雅勇が訳詞を担当しました。特にM-4の「FINDING EACH OTHER」では、カナダからのプロデューサーであるデイヴィッド・フォスターが編曲とキーボード演奏を担当しています。また、デイヴィッド・フォスターと共に活躍してきたウンベルト・ガティカや、キーンブラザーズのトム・キーンが多くの編曲を手掛けています。

演奏には、トム・キーン（キーボード）、TOTOのマイク・ポーカロ（ベース）、そしてマイケル・ジャクソンやチャカ・カーンの楽曲にも関わるジョン・ロビンソン（ドラム）、マイケル・ボディッカー（シンセサイザー・プログラミング）、マイケル・ランドウ（ギター）といった豪華なミュージシャンが参加しました。

収録曲と特徴

『9 1/2 NINE HALF』の収録曲には、全編英語詞で構成されたバラード「FINDING EACH OTHER」が含まれ、スティーヴ・ルカサーとのデュエットが披露されています。また、M-2の「トワイライト・クルーズ -TURN IT UP-」とM-5の「砂の記号（はもん） -HAPPY EVER AFTER-」もトム・キーンとのデュエット曲として注目されています。

アルバムのLPの規格品番はAF-7389で、パッケージの帯には「広大なグランドをバックに、歌は夢中にかける」などのキャッチフレーズが記載されています。また、2007年にはオリジナルアルバムの集大成として『NAOKO PREMIUM』が発売され、2021年にはSACDハイブリッド版もリリースされるなど、長きにわたって愛される作品となっています。このCD-BOXには、ボーナストラックとして「THROUGH THE WINDOW -月に降る雪-」と「砂の記号（はもん） -HAPPY EVER AFTER-」のロングバージョンが収録されています。

映像作品

本アルバムと同時に発売された映像作品『9 1/2 Fantastic Journey』は、ミュージック・ビデオを収録しており、VHSとBeta方式でリリースされました。このビデオ作品には、シングル「THROUGH THE WINDOW～月に降る雪～」が収録されています。

本アルバムは、河合奈保子のアーティストとしての深い表現力と豪華な制作陣による音楽的な成果が詰まった歴史的な作品です。今も多くのファンに親しまれています。

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