90式戦車回収車

90式[[戦車]]回収車の概要

90式[[戦車]]回収車（きゅうまるしきせんしゃかいしゅうしゃ）は、陸上自衛隊が運用する重要な装備の一つです。この車両は、90式[[戦車]]の車体を基にして設計され、主に戦車の回収や整備を行うために使用されます。略称は「90TKR」や、広報用には「リカバリー」という愛称が付けられています。

開発の背景

90式[[戦車]]回収車は、90式[[戦車]]の導入に伴い開発され、国産の戦車回収車としては78式[[戦車回収車]]に次いで3番目の車両です。この車両の開発は技術研究本部（現・防衛装備庁）が行い、製造は三菱重工業が担当しています。1990年に制式採用されて以来、約30両が生産されました。平成22年度には1両の調達が行われています。

配備状況

90式[[戦車]]回収車は、陸上自衛隊のさまざまな部隊に配備されています。具体的には、戦車部隊の整備隊や後方支援部隊を含んでおり、武器学校や東部方面後方支援隊富士教育直接支援大隊などにも配属されています。配備先は、例えば北部方面隊や第2師団、第5旅団など多岐に渡ります。

車両の特徴

この戦車回収車は、78式[[戦車回収車]]と同様の機能を持ちながらも、いくつかの特長があります。前部右側には強力な25トンクレーン、前面にはウインチが設置されており、左側には戦闘室が配置されています。また、前面下部にはストレートドーザーと呼ばれる駐鋤が装備されています。この駐鋤は主に地面を掘ったり、作業の際に車両を支持するために使用されます。

戦闘室の天面には、自衛用の12.7mm重機関銃M2が搭載されており、前面には発煙弾発射機も装備されています。90式[[戦車]]の特徴的な点として、発煙弾発射機は戦闘室前面に8基が一列に取り付けられていることが挙げられます。また、車体の排気口は回収機材と干渉しないよう、後部側面に移動させられています。

90式[[戦車]]回収車は、高い吊り上げ能力を誇り、ウインチは50トンまで対応可能です。これにより、重い90式[[戦車]]を効率良く回収することができます。さらに、車体後部のエンジンデッキには、予備エンジンや故障した車両から外した部品を運搬するためのスペースが設けられています。

作業中の安定性

油気圧式懸架装置を搭載しており、作業時には車高を下げることで重心位置を安定させることが可能です。これは、回収作業や整備作業を行う際に非常に重要な特性で、作業の安全性と効率性を高める要因となっています。なお、全転輪が油気圧式であり、変速装置もフルオートマチックになっています。

登場作品

この車両は、いくつかの作品に登場しています。映画『戦国自衛隊1549』では、極秘実験中に戦国時代にタイムスリップした自衛隊の部隊に配備され、天母城の建設に使用される場面が描かれています。また、小説『日本国際旅団』では、国際連合の平和維持活動に派遣された部隊がこの車両を使用し、放棄された戦車の回収作業を行うシーンが描かれています。

90式[[戦車]]回収車は、その高い性能と多彩な機能を持つことから、陸上自衛隊において非常に重要な役割を果たしています。

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