91式爆弾用誘導装置

91式爆弾用誘導装置について

91式爆弾用誘導装置（GCS-1）は、航空自衛隊において採用されている対艦攻撃用の誘導システムです。この装置は、自由落下する500ポンドのMk.82爆弾や340kgのJM117爆弾に装着され、精密な誘導を可能にします。対艦兵器として設計されており、赤外線誘導方式を採用することで、特に海上目標に対する攻撃力を向上させています。

本装置の開発は1979年に始まり、航空幕僚監部からの研究依頼に基づいて数年をかけて行われました。1980年代には、500ポンド爆弾用と340kg爆弾用の試作機が順次開発され、技術試験を経て1986年に340kg爆弾用装置の製作も決定されました。この開発により、より多様な対艦攻撃が可能となりました。

実用試験は昭和63年度から平成2年度にかけて行われ、能登半島沖のG空域で行われました。この実用試験では遠隔操縦型の移動標的を使用し、全弾命中という素晴らしい成果を記録しました。この成功により、1991年に91式爆弾用誘導装置は正式に制式化され、航空自衛隊での運用が開始されました。

設計と機能

91式爆弾用誘導装置は、主に誘導制御部、信管、操舵翼、安定翼部から構成されています。投下されてから1秒以内にジャイロが立ち上がり、シーカーが冷却されると同時に、姿勢の安定化と信管のアーミングも完了します。これにより、安定した自由落下が行われ、その後誘導モードに移行します。

誘導方法は、CCD方式の赤外線センサを用いた放射状レティクルスキャンで実施され、熱源に向かってホーミング誘導が行われます。また、対赤外線妨害技術（IRCCM）として、省エネルギーの高温物体に対するフレア判定も可能とされており、敵の妨害に対しても高い耐性を持っています。

特に、91式爆弾用誘導装置では赤外線誘導方式が採用されている理由として、搭載母機に特別な改修が必要なく、周辺諸国に対して直接的な脅威を与えることを避けるために地上目標への攻撃能力は追求しない方針が取られました。この設計により、対艦攻撃に特化した効率的な武器が実現されました。

最後に、91式爆弾用誘導装置は航空自衛隊の運用において重要な役割を果たしています。その高い精度と効果をもって、今後の海上防衛能力の向上に寄与し続けることでしょう。

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