9999 (アルバム)

アルバム『9999』について

『9999』は、日本の著名なロックバンド、THE YELLOW MONKEYによる9枚目のオリジナル・アルバムで、2019年4月17日にワーナーミュージック・ジャパンからリリースされました。本作は、2016年に再集結したバンドにとって初のオリジナルアルバムであり、前作『8』からは実に19年の歳月が流れていました。タイトルの「9999」には、「苦（く）」と同音の「9（く）」が4つ並ぶことから「4人で苦労を超える」という願いが込められているほか、4桁の最大数がバンドのメンバー数に掛け合わされているという意味も持っています。

アルバムの構成

アルバムは、新曲「この恋のかけら」を皮切りに、アメリカ・ロサンゼルスで録音した6曲を含む7曲を収録しており、さらに既発曲も交えた形となっています。特にダウンロード版には、インディーズ時代の未録音の楽曲「毛皮のコートのブルース」がボーナストラックとして追加され、バンドにとって過去の遺産と新しいチャレンジの融合を象徴しています。

アルバムのジャケットデザインは、多様な生物や植物を通じて文明や自然のサイクルを表現したもので、アジアのエッセンスがユーモラスに盛り込まれています。このアートはドイツのアートチーム「Rocket & Wink」が手掛けています。

制作の背景

レコーディングは、バンドにとって初めて西海岸のロサンゼルスで行われ、特にヴィンテージなスタジオや器材を使用したことで、ガレージロックにインスパイアされた音作りが実現されました。ボーカルの吉井和哉は、録音の際にザ・ビートルズの影響を強く受けており、曲の表現において「汚れた美しさ」を追求しました。このアルバムは、彼のアプローチとして「愛」の感情が重視されており、彼自身も映画『ボヘミアン・ラプソディ』から深い感動を受け、ストレートな愛の歌に対する意見が変化したとのことです。

アルバムの評価

『9999』は、オリコンやiTunes、Billboardなどのデジタルチャートで1位を獲得し、4冠を達成しました。この成果は、バンドの復活と新しい音楽の展開が多くのファンに支持された結果でしょう。

収録曲の一部

• - この恋のかけら: 前作『8』のラストを踏襲するかのような内容が印象的なミディアムバラード。
• - 天道虫: ソロ作では主に取り扱っていたスタイルをバンドとして表現し、新たな展開が楽しめます。
• - Love Homme: グルーヴィーなビートと性愛をテーマにした密な歌謡ロック。
• - Changes Far Away: ソウルバラードとしても評価の高い曲。
• - Balloon Balloon: サッカー欧州選手権のテーマソングとしても起用され、広がりを見せています。

参加メンバー

• - 吉井和哉 (ボーカル・ギター)
• - 菊地英昭 (ギター)
• - 廣瀬洋一 (ベース)
• - 菊地英二 (ドラムス)

THE YELLOW MONKEYのアルバム『9999』は、彼らの音楽の深さやメッセージ性を改めて感じさせてくれる重要な作品です。これからもバンドは新しい音楽を生み出し続けていくことでしょう。

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