9K114

9K114 シュトゥールム

9K114 シュトゥールム（ロシア語: 9К114 «Штурм»）は、ソビエト連邦が開発した対戦車ミサイルシステムで、NATOコードネームはAT-6 スパイラルと呼ばれています。このシステムは対地および対海上目標に対する攻撃を目的としており、西側諸国のAGM-114 ヘルファイアと同様の役割を果たしています。シュトゥールムは、ミサイルシステム全体を指す名称であり、ミサイル本体は9M114 ココン（ロシア語: 9М114 «Кокон»）と呼ばれ、「繭」を意味する言葉が使われています。

システムの構成

シュトゥールムは複数のバリエーションを持ち、主に二つのシステム本体に分類されます。ひとつはシュトゥルム-Vで、ヘリコプターに搭載するためのもので、特にMi-24ハインドのMi-24V以降の機体に適合しています。もうひとつはシュトゥルム-Sで、地上用の対戦車車両である9P149（9П149）に搭載されます。

ミサイルの詳細

ミサイルのバリエーションは数種類存在し、それぞれ特定の能力や特徴があります。1976年に運用が開始され、その後も進化を続けています。以下は主なミサイルバリエーションです。

• - 9M114 ココン（AT-6 スパイラル）: 初期型であり、SACLOS（Semi-Automatic Command to Line of Sight）方式を採用。
• - 9M114M: 成形炸薬弾頭を搭載。
• - 9M114M1（AT-6B スパイラル）: 射程6km、弾頭重量7.4kg。
• - 9M114M2（AT-6C スパイラル）: 射程が延長され7km、同じく弾頭重量7.4kg。
• - 9M114F: 燃料気化弾頭を持つモデル。
• - 9M120/9M120F/9M220O シュトゥールム-VM（AT-9 スパイラル-2）: より進化したバージョン。

これらのミサイルは、主に対戦車攻撃を目的としており、運用国によって様々なヘリコプターや地上車両に搭載されます。

運用国

9K114 シュトゥールムは、世界中の多くの国で運用されています。以下はその一部の国々です:

• - ロシア
• - ブラジル
• - アルメニア
• - アゼルバイジャン
• - ブルガリア
• - クロアチア（現在は退役）
• - キューバ
• - ジョージア
• - インドネシア
• - モルドバ
• - ペルー
• - ポーランド
• - シリア
• - ベトナム
• - アラブ首長国連邦

このように、シュトゥールムは多様な国で使用されており、その性能から依然として注目されています。特に旧ソ連圏やその影響を受けた国々では広く導入されており、対戦車戦術において重要な役割を担っています。

参考文献と関連項目

シュトゥールムと類似のミサイルシステムには、ウクライナが開発したバリア（ミサイル）があります。これは9M114ココンに相当する性能を持っています。

このように、9K114 シュトゥールムは複合的な機能を有する対戦車ミサイルシステムで、多くの国で実際の戦闘や訓練に利用されています。

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