9mm拳銃

9mm拳銃（自衛隊の制式採用自動式拳銃）

9mm拳銃は、日本の陸上自衛隊が1982年に正式に採用した自動式の拳銃です。この武器は、スイスのSIG社とドイツのザウエル＆ゾーン社が開発した「SIG SAUER P220」を元に、国内の新中央工業（現在のミネベアミツミ）がライセンス生産を行い、自衛隊のニーズに応じて調達されています。この銃は、自衛隊における重要な側面を担っており、一般的には「9mm普通弾」と呼ばれる9x19mmパラベラム弾を使用し、フルメタルジャケット弾が供給されています。

採用の背景

自衛隊の拳銃の歴史は、当初アメリカ軍から供与されたM1911（11.4mm拳銃）から始まりました。しかし、その重さと反動は日本の射手には不向きであったため、新型拳銃の開発が望まれていました。自衛隊は国産拳銃の開発を進め、1958年にはニューナンブM57Aを完成させましたが、アメリカ軍の標準装備との弾薬共用性の問題や、政治的な理由から採用は見送られました。

1980年代に入り、アメリカ軍が新たな拳銃の導入を決定したことで、自衛隊も新型拳銃を採用する動きが加速しました。1979年から1980年にかけて行われた試験の結果、SIG SAUER P220の採用が決まり、1982年から無事部隊への配備が開始されることになりました。

構造と特徴

自衛隊が採用した9mm拳銃は、特に使いやすさと安全性を重視した設計がなされています。スライドは中期型で、前方が角張っており、後部には幅広の滑り止め溝が設けられています。また、マガジンキャッチはレバー式で、シングルカラムマガジンを使用しているため、弾薬の装填密度を高めることができます。

設計上、9mm拳銃は命中精度も高く、50mの距離で依託射撃の際には約90%、立射でも約70%の命中率を誇ります。この精度は自衛隊の訓練にも反映され、年間の射撃訓練が指揮官クラスでは年30発、機甲科では12発程度に設定されています。

自衛隊では、武器の個別性を表現するために、各部隊ごとに異なるマークがスライドに刻印されています。たとえば、陸上自衛隊のものには「桜にW」、海上[[自衛隊]]には「桜に錨にW」、航空自衛隊には「桜に翼にW」といった印があります。

使用と携行

自衛隊の9mm拳銃は、警務官や幹部自衛官だけでなく、特定の部隊の隊員にも装備が拡大されています。訓練や実戦においては、特定の安全対策が講じられており、配備に際してはホルスターや弾薬の収納も徹底されています。

ホルスターは主に茶色の皮革製が使用されますが、実戦ではサファリランド社やブラックホーク社製のレッグホルスターも取り入れられています。また、弾薬は予備弾入れを使用して携帯することが義務付けられており、部隊毎に異なる携行スタイルが存在します。

後継拳銃

時代の変化に伴い、陸上自衛隊は新たな後継拳銃の導入を進めており、グロック17やH&K SFP9などが候補として挙がっています。2019年には新型拳銃が正式に発表され、今後の装備においても新たな選択肢が増えることが期待されています。

メディアでの登場

9mm拳銃は、日本の映画やアニメ、マンガなどでも多く見かけます。『ULTRAMAN』や『戦国[[自衛隊]]』など、多様な作品において自衛隊の象徴的な武器として描写されています。これにより、一般の人々にもその存在感を強く印象付けています。

このように9mm拳銃は、ただの武器に留まらず、自衛隊のシンボルとしての役割を果たし、歴史や文化の一部として位置づけられる存在となっています。

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