ニューナンブM57

ニューナンブM57

概要

ニューナンブM57は、新中央工業によって開発された自動拳銃です。この拳銃は、しばしば自衛隊での使用が検討されましたが、実際に採用されるには至りませんでした。M57Aとその改良版であるM57A1が特に知られています。

歴史的背景

第二次世界大戦の前、大日本帝国では南部麒次郎の開発した自動拳銃が存在しました。これらは日本の自衛力を支える重要な武器でしたが、日本の降伏を受けて、その開発はストップしました。

1956年、政府は拳銃研究会を設立し、国産の公用拳銃の統一化を目指しました。その結果、1957年から新中央工業が再び国産拳銃の開発に乗り出しました。このプロジェクトにおいて、自動拳銃2種類と回転式[[拳銃]]1種類が設計され、ニューナンブM57がその一つとして誕生しました。

設計と仕様

M57A

M57Aは9x19mmパラベラム弾を採用しており、自衛隊で長年使用されていたM1911A1の代替として設計されました。M1911A1は.45ACP弾を使用しており、反動が強く、日本人の体格には不適とされていました。これに対して、M57Aは使用弾薬を変更し、サイズも調整されています。

この拳銃は、ティルトバレル式ショートリコイルによる作動方式とシングルアクションのトリガーメカニズムを採用しています。内部構造がブロック化されているため、メンテナンスも容易に行える設計となっています。

M57B

一方、M57Bは小型拳銃であり、主に空港警察や鉄道公安官などへの配備を意図したモデルです。このモデルは、FN ブローニングM1910を基に改良され、ハンマー撃発方式に変更されています。使用する弾は.32ACPで、シンプルブローバック方式を採用しています。

採用の問題

M57Aは1958年に完成したものの、当時のアメリカ軍は依然としてM1911A1を使用していました。これにより、弾薬の共用性や政治的な判断が影響し、制式採用は見送られました。その後、1970年代後半に自衛隊は新しい9x19mmパラベラム弾を使用する拳銃の導入を計画し、ニューナンブM57Aを基にした新たなモデルM57A1を開発しました。1980年にはトライアルが行われましたが、防衛庁はSIG SAUER P220を選定し、M57A1は採用されませんでした。

遊戯銃としての存在

過去には大友商会がM57A1の無可動モデルを販売していましたが、市場に出回っている数は非常に限られています。近年はネットオークションなどで見かけることもありますが、入手は難しい部類に入るでしょう。

結論

ニューナンブM57は日本の自動拳銃の歴史において重要な役割を果たしましたが、実際の採用には至りませんでした。その設計と開発の背景は、日本における国産武器の再興を目指した象徴ともいえます。

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