@ベイビーメール

@ベイビーメール

『@ベイビーメール』は、山田悠介によるホラー小説であり、文芸社から2003年4月に発行されました。その後、角川文庫からもさまざまな版がリリースされ、人気を博しています。また、2004年にはコミカライズ版が作られ、2005年には映画化も行われました。

あらすじ

物語の主な舞台は、高校教師の斉藤雅斗が務める都内の私立高校です。彼は警察官の友人である斉藤慎也から、異様な猟奇殺人事件の話を耳にします。事件は、女性が腹部を裂かれ、その中からへその緒が飛び出しているという衝撃的なもの。この事件の最中、同じ瞬間に3名の男性が謎の死を遂げていきます。この不可解な状況が進行する中、慎也の妻である順子の携帯電話に「ベイビーメール」と呼ばれる不気味なメッセージが届きます。

このベイビーメールには「私は子供を持とうとしている者を恨んでいる。私の子供を育てさせてあげる」という恐ろしい内容が含まれており、添付された「@」のファイルを開くと赤ん坊の泣き声が響き、携帯電話の液晶が割れるという恐怖の体験が待ち構えています。その約1か月後、順子は猟奇事件同様の恐ろしい状態で発見されます。しかし、彼女は生理があったにもかかわらず、遺体の診断では妊娠4か月であるとされています。この連続する悲劇は、雅斗の周囲で次々に起こり、彼自身の恋人や教え子にも異常な現象が広がっていくのです。

登場人物

物語にはいくつかの中心人物が登場します。斉藤雅斗は、高校教師であり、物語の主人公としてこの猟奇事件に深く関与していくことになります。彼の友人の斉藤慎也は武蔵野東警察署の刑事で、最初に事件について雅斗に情報を提供する重要なキャラクターです。

また、慎也の妹であり雅斗の恋人である斉藤朱美や、雅斗の元教え子の小川飛鳥も、物語の進行において不可欠な役割を果たします。そして、物語の鍵を握る平本愛やその母・平本菊子も登場し、より深い謎を解いていく手助けをします。

書籍情報

このホラー小説は、文芸社から2003年に発売され、後に角川や幻冬舎コミックスからも様々なバージョンがリリースされています。特に角川文庫版は定評があります。

映画化

小説の人気を受けて、2005年に映画化も行われました。本作では、主人公斉藤雅斗を村上幸平が演じ、松田まどかが小川飛鳥役を務め、他にも多くのキャストが出演しました。監督は中村義洋、脚本は鈴木謙一が担当し、特有の恐怖感を表現した作品に仕上がっています。映画は上映75分で、DVDも発売されています。

『@ベイビーメール』を通じて、サスペンスとホラーの融合した物語を楽しむことができ、読者や視聴者に深い印象を残す作品となっています。

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