A女E女

A女E女：過激な深夜バラエティ番組の全貌

1997年10月18日から1998年3月28日まで、フジテレビ系列で放送された深夜番組『A女E女』。わずか21回の放送ながら、その過激な内容と高い視聴率で大きな話題を呼びました。本稿では、この異色のバラエティ番組について、詳細に解説します。

視聴率と人気

『A女E女』は、同時間帯にテレビ東京で放送されていた『ギルガメッシュないと』に対抗する形でスタートしました。「日本一のお下劣バラエティ」というキャッチコピーが示す通り、その内容は極めて過激なものでした。初回放送から前番組の視聴率をほぼ倍増する4.9％を記録し、その後も高い視聴率を維持しました。特に12月6日の放送では、ライバル番組『ギルガメッシュないと』を上回る6.0％を記録するなど、大きな成功を収めました。

注目すべきは、男女・世代別視聴率です。18歳から34歳の女性視聴者（F1層）においては、ライバル番組を大きく上回る視聴率を獲得しました。この人気の背景には、当時人気を博していた若手お笑い芸人の存在が挙げられます。『A女E女』には、「無名ズ」と呼ばれる複数の若手芸人が出演しており、これが若い女性視聴者の関心を集めたと考えられます。

過激な内容とクレーム

『A女E女』は、その過激な内容から多くの批判を受けました。女性出演者の陰毛が映り込んだり、オナニーまがいの行為が放送されたりなど、公共の電波で放送するには不適切な内容が含まれていたのは事実です。そのため、「俗悪番組」というレッテルを貼られる結果となりました。放送開始から3ヶ月後には視聴者から新企画を募集するなど、番組側は視聴者の反応を意識した対応も見られましたが、過激な内容を完全に排除することはできませんでした。

催眠術と奇抜な企画

番組の最大の特徴は、タレント催眠術師として当時名を馳せていた松岡圭祐が考案した催眠術と、それに基づいた奇抜な企画でした。催眠術をかけられた女性出演者に、太鼓や木魚などの音を聞かせ、その反応を面白おかしく放送するというものです。 催眠術自体、ヤラセ疑惑もありましたが、実際には放送2時間前から予備催眠を行うなど、綿密な準備がされていたとされています。

番組内容は、「美人は○○でイッていた」といった過激な企画から、「お葬式」「Jサッカー応援企画」「番組存続国民投票」といった、一見するとバラエティ番組としては異質な企画まで、多岐に渡りました。その意味不明な企画の数々は、視聴者にとって予想不可能な驚きと笑いを提供したと言えるでしょう。

出演者とスタッフ

『A女E女』には、松岡圭祐の他、多くのタレントや芸人が出演しました。「無名ズ」と呼ばれる若手芸人4組（ビビる、アクシャン、ジェット★キッズ、360°モンキーズ）、AV女優や売れないモデル、そしてフジテレビのアナウンサー牧原俊幸（マッキー）など、個性豊かな面々が番組を彩りました。

番組スタッフも、構成作家から技術スタッフまで、多くのベテランと若手が参加していました。彼らによって生み出された『A女E女』は、制作陣の熱意と奇抜な発想が凝縮された、唯一無二の番組だったと言えるでしょう。

番組終了後

1998年3月28日放送の最終回では、「無名ズ」によるコント対決が行われましたが、この番組で本当にブレイクを果たしたのは限られた出演者だけでした。しかし、番組の過激な内容と人気は、その後も様々な形で語り継がれることになります。2011年には、番組タイトルにインスパイアされた「AカイシャEカイシャ」という会社紹介番組が放送され、2014年にはビートたけしが『笑っていいとも!』最終回で番組の復活を望む発言をするなど、その影響は現代にも及んでいます。

まとめ

『A女E女』は、視聴率の高さと過激な内容、そしてその後の影響から、日本のテレビ史において特異な存在として位置づけられます。その独特の世界観と、時代を反映した番組内容を改めて振り返ることで、日本のバラエティ番組の歴史の一端を垣間見ることができるでしょう。 番組が成功した理由、そして批判された理由を分析することで、現代のテレビ番組制作にも示唆を与えてくれるかもしれません。

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