A2J (航空機)

XA2J スーパーサヴェージ

XA2J スーパーサヴェージ（North American XA2J Super Savage）は、1950年代初頭にノースアメリカン社によって開発された艦上攻撃機です。本機はアメリカ海軍向けの試作機として設計されましたが、搭載エンジンの問題が続出したため、製造されたのはわずか2機のみで、早々に開発が中止されました。

この機体の愛称である「スーパーサヴェージ」は、従来のAJ サヴェージの名称に「スーパー」を加えたもので、「獰猛さ」を意味する形容詞と「超越」を織り交ぜた表現です。社内の呼称はNA-163でした。

概要

XA2Jは、ノースアメリカン社が以前に開発したAJ サヴェージの改良版として計画されました。この新型機は、当初予定されていたT40エンジンにいくつもの問題が見つかったため、完成した2機のうち、BuNo.124439は数回飛行した後に、BuNo.124440は飛行試験前に開発が中止される結果となりました。

設計

XA2Jの設計は、従来のAJ サヴェージの不十分な性能を克服するために行われました。基本的な特徴として、AJ サヴェージよりも大きな機体で、従来の2基のレシプロエンジンの代わりにアリソンT40ターボプロップエンジンを2基装備し、さらに取り外し可能なターボジェットエンジンも追加されていました。この艦載機には、飛行の可搬性を考慮して折り畳みが可能な主翼が設計され、胴体内部には爆弾倉、自衛用に遠隔操作式機銃が装備される予定でした。

開発経緯

XA2Jの試作機の製作は1948年10月に始まりましたが、エンジン開発の遅れから初飛行は1952年1月4日まで待たなければなりませんでした。同時期に開発されていたダグラス社のXA3Dスカイウォーリアーが1952年10月に初飛行を行った際、その性能はXA2Jを上回っていました。この結果、XA2Jの運命が大きく変わることとなります。

XA2Jの開発中止の根本原因は、アリソン社のT40エンジンの開発遅延とその信頼性の低さにありました。T40エンジンは、アリソンのT38エンジンを二つ組み合わせて大きなコントラ・プロペラを回す設計が特徴でしたが、実際には多くの問題が発生し、これが原因で同時期に開発していたA2DスカイシャークやXF-84Hサンダースクリーチのプロジェクトも中止でした。

運用実績

XA2Jは、主にアメリカ合衆国、特にアメリカ海軍の運用を前提に設計されていましたが、実際の運用には至りませんでした。

諸元

• - 機体タイプ: XA2J-1
• - 全長: 70 ft 3 in（21.42 m）
• - 全幅: 71 ft 6 in（21.8 m）
• - 全高: 24 ft 2 in（7.37 m）
• - 翼面積: 836 ft²（77.7 m²）
• - 空虚重量: 35,350 lb（16,035 kg）
• - 全備重量: 46,890 lb（21,269 kg）
• - 最大離陸重量: 61,200 lb（27,760 kg）
• - エンジン: アリソン T40-A-6 ターボプロップ（5,035 shp）2基、ターボジェット1基
• - 最高速度: 451 mph（726 km/h）
• - 航続距離: 2,180 マイル（3,508 km）
• - 上昇限度: 37,500 ft（11,400 m）
• - 武装: 爆弾10,500 lb（4,763 kg）、20 mm機関砲2門（計画のみ）

XA2J スーパーサヴェージは、その短命な運命とは裏腹に、艦載攻撃機の開発史において重要な位置づけを持つ機体となりました。

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