ABC (プログラミング言語)

ABCプログラミング言語について

ABCは、オランダのCWI（Centrum Wiskunde & Informatica）で創出された命令型の汎用プログラミング言語であり、同時にそのための統合開発環境も備えています。この言語は、主にLeo Geurts氏、Lambert Meertens氏、Steven Pemberton氏によって開発されました。ABCは対話型かつ構造化された高級言語であり、学習と利用が容易であることを目指しており、BASIC、Pascal、AWKといった他の言語の代替手段として位置付けられています。特に、プログラミング教育やプロトタイピングでの利用に特化されているのが大きな特徴です。

ABCの基本データ型は5種類と限定されており、変数の宣言は必要ありません。これは、プログラミングの初学者が扱いやすくするための工夫で、データ型に対する制限が薄いため、多倍長整数や無限長のリスト、無限長の文字列を扱うことができます。さらに、プログラムは通常、トランスパイルされたPascalやCの同等のシステムに比べて、約4分の1の長さで記述でき、可読性が高いのもポイントです。

もともとABCはモノリシックなアーキテクチャで構築されていたため、ユーザーインターフェースの作成など、より現代的なニーズには十分に応えられない側面がありました。また、オペレーティングシステムやファイルシステムへの直接アクセスも提供していませんでした。しかしながら、ABCには専用のプログラミング環境があり、これには構文を意識した編集機能や示唆、変数管理、複数ワークスペースのサポートが含まれます。

ABCはインタプリタとコンパイラの両方を備えており、最新のバージョンは1.05.02です。この言語は、UNIX、DOS、Atari、Macintoshといったさまざまなプラットフォームに移植されています。

特筆すべきは、ABCがPythonの設計に多大な影響を与えた点です。Pythonを開発したグイド・ヴァンロッサム氏は、1980年代初頭にABCの開発に数年間関わっており、その経験がPythonの設計に活かされています。以下に、ABCの基本的な操作を示す関数の例を紹介します。

例

文書中の全ての単語を抽出する`words`という関数のコードは以下の通りです:
```abc
HOW TO RETURN words document:
PUT {} IN collection
FOR line IN document:
FOR word IN split line:
IF word not.in collection:
INSERT word IN collection
RETURN collection
```
このように、ABCは非常に直感的であるため、初心者にとっても扱いやすい言語となっています。

関連項目

• - オフサイドルール

参考文献

この記事は2008年11月1日以前にFree On-line Dictionary of Computingからの資料を基にし、GFDLバージョン1.3以降の再ライセンス条件に従って作成されています。

外部リンク

• - A Short Introduction to the ABC Language
• - ABC Programmer's Handbook

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