ABCドラッグ

ABCドラッグ：地域密着型ドラッグストアの軌跡

かつて埼玉県南西部で親しまれたドラッグストアチェーン、ABCドラッグ。その歴史は、1973年12月、埼玉県狭山市に開設された7坪の薬局から始まりました。当初は「ドラッグJP」という名称でしたが、1990年に法人化と同時に「ABCドラッグ」へと改称。地域に根ざした営業を展開しながらも、積極的な出店戦略によって事業を拡大していきました。

ABCドラッグは「Healthy＆Beauty」をキャッチフレーズに掲げ、健康と美容をサポートする商品とサービスを提供。企業ウェブサイトでは、薬剤師によるセルフメディケーションに関するアドバイス動画を定期的に配信するなど、顧客とのコミュニケーションにも力を入れていました。郊外型店舗が中心でしたが、都市型店舗も展開し、店舗デザインも時代に合わせて変化を遂げています。ピーク時には埼玉県に11店舗、東京都に4店舗の計15店舗を展開。その内訳は、「ドラッグJP」時代から続く4店舗と、「ABCドラッグ」として新たに開設された10店舗でした。

しかし、2012年9月1日、同業他社のココカラファイン（セイジョーを展開）に事業を譲渡。ABCドラッグの全店舗は順次セイジョーへと転換され、その歴史に幕を閉じました。その後、清算業務を進めていたABCドラッグは、2013年3月28日、東京地方裁判所から特別清算開始決定を受け、会社としての活動を完全に終了しました。

ABCドラッグの事業譲渡は、激化するドラッグストア業界における再編の一端を示す出来事と言えるでしょう。地域密着型のドラッグストアとして、多くの顧客に親しまれ、貢献したABCドラッグ。その歴史は、日本のドラッグストア業界における貴重な事例として記憶されています。

ABCドラッグの沿革

1973年12月: 埼玉県狭山市に7坪の薬局を開設（ドラッグJP）。
1990年: 法人化し、社名をABCドラッグに変更。
1992年: 郊外型店舗第一号となる川本店をオープン。
2012年9月1日: ココカラファインに事業譲渡、事業停止。
2013年3月28日: 東京地方裁判所から特別清算開始決定を受ける。

ABCドラッグの店舗の特徴

ABCドラッグの店舗は、郊外型が中心でしたが、都市部にも数店舗展開していました。店舗数は最大で15店舗に達し、そのデザインは時代とともに変化を遂げました。

関連事項

ドラッグストア
ナショナルドラッグチェーン
日本チェーンドラッグストア協会

ABCドラッグの短いながらも地域社会に貢献した歴史は、日本のドラッグストア業界発展の一端を担ったと言えるでしょう。その事業譲渡と清算は、業界再編の過酷な一面を改めて示す事例として、後世に語り継がれるべきものです。

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