ABCミュージック21

ABCミュージック21（エービーシーミュージックトゥーワン）は、朝日放送ラジオ（ABCラジオ）で1999年 10月4日から2009年 4月3日まで、主に平日および土曜日の21時台に放送されていた音楽番組です。深夜放送の人気番組「ABCミュージックパラダイス」の姉妹番組として企画され、プロ野球ナイター中継後のフィラー番組という位置づけも持っていました。

番組内容と特徴

この番組では、リスナーからのリクエストを参考にしながら、最新の邦楽ヒット曲を中心に、時には少し懐かしい楽曲も積極的にオンエアしていました。

番組の特色の一つとして、「21の日（トゥーワンの日）」がありました。これは毎月21日に番組が放送される際に実施され、メッセージが採用されたリスナーには特製の番組グッズ三点セットがプレゼントされる企画でした。

パーソナリティには、関西地方の芸能事務所に所属する若手の女性タレントやDJが起用され、番組をフレッシュな雰囲気で彩りました。

放送期間と時間の変遷

9年半にわたる放送期間中、番組の放送時間は度々変更されました。

1999年 10月〜2000年3月: 月曜日から金曜日までの21:00から22:00
2000年4月〜2006年9月: 期間中の4月から9月は月曜日から土曜日までの21:05から22:00、10月から3月は21:00から22:00
2006年 10月〜2007年3月: 月曜日から土曜日までの21:30から22:00
2007年4月〜2007年9月: 月曜日から金曜日までの21:05から21:58
2007年 10月〜2008年3月: 月曜日から金曜日までの21:00から22:00
2008年3月〜2008年9月: 月曜日から金曜日までの21:12から22:00
2008年9月〜2009年4月: 月曜日から金曜日までの21:15から22:00

ナイター編成時の対応

ナイターシーズン中は、「ABCフレッシュアップベースボール」の実況中継が試合終了まで行われるため、試合が長引くと番組開始時刻が大幅に遅れることがありました。中継終了後には、必ず5分間の「ABC朝日ニュース」と7分間の「サウンドトラベル」が挟まれた後に番組が開始されました。

しかし、番組の終了時刻は深夜の「ミューパラ」開始に合わせて22時と固定されていたため、放送時間が短縮される事態が頻繁に発生しました。場合によってはわずか数分間（正味2分58秒）の放送となったり、番組自体が休止となったりすることもありました。

番組が休止した場合の対応は年度によって異なりました。

2007年度まで: 当日の担当パーソナリティが、続く「ミューパラ」に登場して「ごめんなさいプレゼント」と称した企画を実施しました。これは、発表されるキーワードを書いて応募すると、抽選で5名に番組グッズ三点セットが当たるというものでした。ナイター中継が22時半以降にまでずれ込み、「ミューパラ」の開始が遅くなった場合は、パーソナリティの都合により録音での出演となるケースもありました。
2008年度: ABCラジオのインターネットラジオ配信サービス「Webio」にて、番組のダイジェスト版が配信されました。著作権の関係で楽曲のオンエアはできませんでしたが、パーソナリティのフリートークや番組からの告知などを聞くことができました。

また、ABCではテレビ・ラジオで全国高等学校野球選手権大会を中継するため、毎年7月中旬から大阪大会決勝までは、近畿地方を中心に地方大会のハイライト番組「めざせ甲子園!ドリームスタジアム」がナイター中継終了後に放送されました。これにより、「ABCミュージック21」の開始時刻がさらに遅くなる傾向がありました。

ナイターオフ編成時の対応

ナイターオフシーズンは、プロ野球中継による影響はありませんでしたが、編成によって放送開始時間が変動しました。

2005年度まで: 通常21時開始のニュースを20:55に前倒しして放送時間を確保し、21時からのスタートでした。
2006年度: 新たな番組「ABCプレミアムボックス」が編成された影響で、21時30分からの放送開始となり、放送時間が短縮されました。
2007年度: 「プレミアムボックス」の編成がなくなり、例年通り21時からのスタートに戻りました。
2008年度: 21時15分からのスタートとなりました。

パーソナリティの変遷

番組開始から終了まで、パーソナリティ体制は何度か変化しました。

番組開始(1999年)〜2005年: 関西の芸能事務所に所属する若手女性タレント2名が、週の前半（月〜水）と後半（木〜金または土）に分かれて担当する体制でした。
2005年10月〜: 3名体制となり、真木ひろか（月・火）、林智美（水・木）、大谷咲子（金・土）が担当しました。
2006年春改編〜: 真木ひろかが「ミューパラ」へ異動したため、再び2名体制に戻りました。林智美が週の前半（月〜水）、大谷咲子が週の後半（木〜土、後に木・金）を担当しました。
2008年春改編〜: 5名体制となり、上場瞳（月）、前田彩名（火）、浅本美加（水）、神谷ゆう子（木）、岸田奈緒美（金）が曜日替わりで担当しました。
2008年秋改編〜番組終了: 岸田奈緒美の卒業と、浅本美加の「ミューパラ」異動に伴い、残る3名（上場瞳、前田彩名、神谷ゆう子）が5曜日を分担して担当する体制となりました。

主なコーナー

リスナー参加型やパーソナリティの個性を活かした様々なコーナーが展開されました。

Monthly A Music: 関西のAMラジオ5局が共同で新人アーティストを応援する企画です。
電車がGO: 曲に電車の走行音を重ねて聞き取りにくくし、何の曲が流れているかを当てるクイズ。JR福知山線脱線事故発生後、企画趣旨に配慮して打ち切られました。
イメージでポン: 流れている曲から連想される3つのキーワードを発表し、曲名を当てるコーナー（林智美担当）。
トミーのおはこ: 箱に入ったトークテーマのくじを引き、即興で話す企画（林智美担当）。
サッキーの音楽生活: 大谷咲子が特定の状況におすすめの楽曲を紹介するコーナー。
しりとりくえすと (2006年〜2009年): 曜日ごとに曲名をしりとりで繋いでいくリスナー参加型コーナー。
日替わりコーナー (2008年〜2009年): 5名体制時に各パーソナリティが考案した独自の企画群。例えば、上場瞳のリスナーとの対決企画「ひーとんのとんでもナイト」や、神谷ゆう子のリスナーの悩み相談「かみゅう先生の保健室」、前田彩名のおすすめ紹介「あやっちの自信を持っておすすめしますみんな聞いて」などがありました。

番組グッズ

「21の日」などの企画でリスナーにプレゼントされた番組グッズには、番組初期の豪華景品だったお風呂ラジオをはじめ、3色ペンセット、シールセット、缶バッジなどがありました。

番組の終焉

ABCラジオの2009年春の番組改編に伴い、2009年 4月3日をもって「ABCミュージック21」はその歴史に幕を下ろしました。およそ9年半にわたる放送活動に終止符が打たれた形です。

ABCミュージック21