サウンドトラベル

『サウンドトラベル』は、2002年10月に放送を開始し、2013年3月29日まで約10年半にわたり、ニッポン放送を制作局として全国に届けられたラジオ番組です。この番組は創価学会による単独提供で、各地の風景や文化を音楽と共に紹介する紀行番組という形式をとっていました。

番組の基本的なコンセプトは、毎週一つ特定の場所、日本国内または世界各地の名所に焦点を当てることでした。その地が持つ歴史的背景や文化、地域ならではの名産品などが詳しく紹介され、聴取者はラジオを通して旅をしているような感覚を味わうことができました。そして、紹介される名所に深く関連する楽曲が選曲され、番組の随所でオンエアされました。曲名については、エンディングでまとめて案内されるスタイルがとられていました。

放送形態は、番組の期間中に変化が見られました。開始当初の2002年10月から2008年3月までの間は、プロ野球のオフシーズンにあたる年度下半期（10月から3月）には月曜日から金曜日まで毎日放送される10分間の帯番組として、プロ野球シーズン中の年度上半期（4月から9月）には週に一度放送される30分番組として編成されていました。しかし、2008年4月以降は通年で月曜日から金曜日までの10分間放送という形態に統一されました。

ニッポン放送をキーステーションとするNRN系列の全国ネット番組でしたが、放送時間については各局で大きなばらつきがありました。一部地域には例外もあり、例えば福岡県では、通常NRN系列局である九州朝日放送ではなく、JRN系列に属するRKB毎日放送で放送されるという珍しいケースも見られました。

番組を彩るパーソナリティとしては、まず声優の佐久間なつみさんが務めました。その後、2004年4月からは元フジテレビアナウンサーでフリーランスとして活動する城ヶ崎祐子さんがバトンを引き継ぎ、番組が終了するまでの期間を担当しました。

番組の歴史の中で特筆すべき出来事としては、2011年3月に発生した東日本大震災の影響があります。震災発生直後の3月14日と15日には、ニッポン放送をはじめとする一部のネット局で番組の放送が見送られました。また、震災の影響を受けて提供スポンサーである創価学会が提供を見合わせたため、同年5月6日放送分までの期間、番組内で放送されるCMは公共広告機構（現：ACジャパン）のものに一時的に差し替えられました。

番組の最終回は2013年3月29日（金曜日）に放送されました。最終放送日に先立つ同年3月18日（月曜日）からの10回分については、「サウンドトラベル10年間の旅」と題した特別企画が実施されました。これは、番組が放送された過去10年間で紹介された数多くの名所の中から、一年ごとにピックアップして振り返るダイジェスト形式の放送でした。

『サウンドトラベル』の終了後、ニッポン放送では2013年4月1日（月曜日）から、本番組が使用していた放送枠と、創価学会による単独提供という形式はそのまま引き継がれ、後継番組として『スポーツ伝説』の放送が開始されました。多くのネット局でも、同様に『スポーツ伝説』の放送枠を本番組から引き継ぐ形で対応しました。

以下に、番組終了時点である2012年度ナイターオフ編成における、各ネット局の主な放送時間（月曜～金曜）を示します。

11:50～11:58: IBC岩手放送
12:20～12:30: 北日本放送
16:20～16:30: 山口放送
17:47～17:55: 中国放送
20:50～21:00: ラジオ福島、和歌山放送、熊本放送
21:40～21:48: 山梨放送
21:45～21:52: 新潟放送
21:50～21:57または21:58または22:00: ニッポン放送、STVラジオ、青森放送、秋田放送、山形放送、信越放送、北陸放送、福井放送、静岡放送、東海ラジオ放送、朝日放送、和歌山放送、山陰放送、四国放送、西日本放送、南海放送、高知放送、長崎放送、大分放送、宮崎放送
21:52～22:00: 南日本放送、ラジオ沖縄
22:52～23:00: 山陽放送
23:35～23:43: 東北放送
23:50～23:58: RKB毎日放送

この番組は、長年にわたり、音楽と共に日本の国内外の魅力的な場所を紹介し続け、多くのリスナーに旅情と知的好奇心を刺激する時間を提供しました。

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