ADメリダ

アソシアシオン・デポルティーバ・メリダ、通称ADメリダは、スペイン南西部のエストレマドゥーラ州、歴史豊かな都市メリダに本拠地を置くサッカークラブです。このクラブは、かつて同地で活動していたメリダUDが、2013年に経済的な問題などからテルセーラ・ディビシオン（当時の4部リーグ）降格後に消滅したことを受け、地元のサッカーの灯を絶やさぬよう、その歴史と伝統を引き継ぐ形で2013年2月19日に設立されました。設立当初から、地域のサッカーファンに新たな希望を与える存在として注目を集めました。

クラブは設立と同年の2013-14シーズンより、スペインサッカーリーグの4部にあたるテルセーラ・ディビシオンでの活動を開始しました。新しい体制でのスタートながら、チームは着実に力をつけ、設立からわずか2シーズン目となる2014-15シーズンには、早くも3部リーグであるセグンダ・ディビシオンBへの昇格を果たしました。これは、クラブの運営が円滑に進み、チームが短期間で競争力を高めたことを示す顕著な実績であり、地域におけるクラブへの期待を一層高める出来事となりました。

3部リーグ定着を目指す中で、ADメリダは国内の主要なカップ戦であるコパ・デル・レイにもその足跡を刻みました。クラブ史上初めてとなるコパ・デル・レイへの出場は2015-16シーズンに実現し、格上のチームとの対戦の機会を得るなど、クラブの全国的な知名度向上にも貢献しました。これは、設立からわずか数年で国内主要大会に参加できるレベルに達したことを意味し、クラブの急速な発展ぶりを示す出来事でした。

現在、ADメリダはスペインサッカーの3部リーグに位置づけられるプリメーラ・ディビシオンRFEFに所属しています。このリーグは近年再編されたスペインのリーグ構造において、プロリーグであるラ・リーガ（1部、2部）に次ぐ重要なカテゴリーであり、国内外から集まる選手たちがハイレベルな競争を繰り広げています。クラブは、この厳しい環境の中で上位リーグ昇格を目指し、日々の活動に取り組んでいます。メリダ市およびエストレマドゥーラ州にとって、ADメリダの存在は地域活性化の一助ともなっており、多くのサポーターがスタジアムに駆けつけ、選手たちに声援を送っています。

クラブは、その比較的短い歴史の中にも、これまでの試合結果や所属した選手の記録を大切に保管しています。過去には様々な国籍の選手が在籍しており、例えば、2022年からは日本の選手である向井章人もチームの一員としてプレーしました。アソシアシオン・デポルティーバ・メリダは、過去のクラブの遺産を受け継ぎつつ、新たな歴史を築き上げようとしています。地域に根ざしたクラブとして、ファンや地域社会と共に成長を続けることを目指しています。

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