ADesigner

aDesigner（エーデザイナー）は、ウェブコンテンツのアクセシビリティを検証するためのツールです。特に、視覚に障害のある方や高齢者など、ウェブサイトの利用に困難を抱える可能性のあるユーザーが、より快適にウェブコンテンツを利用できるように支援することを目的としています。

2004年7月14日に日本IBMによって無償公開されたこのツールは、アクセシビリティの専門家である浅川智恵子氏が開発に携わっています。浅川氏は、同じくIBMが開発したスクリーンリーダー「ホームページリーダー」の開発者としても知られています。

aDesignerの概要

aDesignerは、ウェブサイトの製作者が、アクセシビリティに配慮したウェブサイトを制作するための具体的な指針を提供します。ウェブサイトのアクセシビリティにおける問題点を詳細に指摘し、改善を促す機能が搭載されています。

主な機能として、以下の2つの調査モードがあります。

音声モード：音声読み上げ機能を持つウェブブラウザが、ウェブサイト内のテキストを正しく読み上げられるかを検証します。このモードは、日本語と英語に対応しています。
ロービジョンモード：色覚異常を持つユーザーが、ウェブサイトを見た際に情報を識別しやすい配色になっているかを検証します。このモードは、言語に依存しません。

これらのモードを使用することで、ウェブサイトのアクセシビリティにおける様々な問題点を洗い出し、改善することができます。

現在、aDesignerのソースコードはエクリプス財団に寄贈され、同財団のプロジェクトとして開発が継続されています。これは、aDesignerがオープンソースソフトウェアとして、より多くの開発者によって改善され、進化していくことを意味します。

リリース履歴

aDesignerは、これまで以下のバージョンがリリースされています。

2008年10月8日 - aDesigner 0.5.0
2009年3月30日 - aDesigner 0.7.0
2009年11月10日 - aDesigner 0.7.1
2010年6月23日 - aDesigner 0.8.0
2010年10月12日 - aDesigner 0.8.1
2011年6月22日 - aDesigner 0.9.0
2012年6月27日 - aDesigner 1.0.0
2015年3月30日 - aDesigner 1.2.0
2015年11月2日 - aDesigner 1.3.0
2016年6月23日 - aDesigner 1.4.0

関連情報

aDesignerは、ウェブアクセシビリティに関わる以下の分野と密接な関連があります。

アクセシビリティ：ウェブコンテンツが、様々なユーザーにとって利用しやすい状態であること。
バリアフリー：高齢者や障害者を含む、すべての人が社会生活に参加しやすいようにすること。
ロービジョン：視覚に障害を持つ人の中でも、ある程度の視力を持つ人々のこと。
aiBrowser：IBMが開発したアクセシビリティ機能付きのウェブブラウザ。
ホームページリーダー：IBMが開発した、視覚障害者向けのスクリーンリーダー。

これらの関連情報からも、aDesignerがウェブアクセシビリティの向上に貢献する重要なツールであることがわかります。

外部リンク

aDesigner製品紹介

このツールは、ウェブサイトのアクセシビリティを向上させるための重要なツールとして、今後もその発展が期待されています。

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