ホームページリーダー

ホームページリーダーの概要

ホームページリーダーは、日本IBMの研究員である浅川智恵子によって開発された、世界初の音声ブラウザです。このソフトウェアは、ウェブページのテキストを音声で読み上げる機能を持ち、視覚障害者がインターネットを利用する際の大きな助けとなりました。

このブラウザは、キーボードの数字キーを利用することで画面上の文章を順に音声合成で読み上げ、視覚情報の表示を必要とせずに目当ての情報にアクセスできるように設計されています。1997年の販売開始以来、このソフトウェアは多くの視覚障害者にとって欠かせないツールとなり、1999年には英語版も登場し、さらに世界11か国語で利用可能となりました。

この画期的なソフトウェアを活用することで、視覚障害者は自ら情報を収集し、オンラインショッピングを通じて気軽に買い物を楽しむことができるようになり、QOL（Quality of Life）の向上に多大な寄与をしました。

技術的な進化

最終版であるVer3.04（Windows用）は、PDFやAdobe Flashをサポートし、音声ブラウザとしての基本機能に加え、Windows上の画面を読み上げるスクリーンリーダーとしての機能も強化されています。これにより、視覚障害者にとってより便利なツールとなっています。

一方で、日本IBMは公式に、Windows VistaおよびInternet Explorer 7に対応しないことを発表し、2012年4月10日をもって営業活動を終了しました。Windows 7では基本的な動作が難しいですが、「Windows XP Mode」を利用すれば、一定の条件下で使用することが可能です。このモードは、旧バージョンのインターネットエクスプローラーを含んでいるためです。

開発者の受賞

2019年には、開発者である浅川智恵子がこのソフトウェアの開発を評価され、全米発明家殿堂に名を連ねることが決まりました。この受賞は、彼女の貢献が広く認められたことを意味し、音声ブラウザに対する評価が一層高まりました。

関連する技術とリソース

ホームページリーダーは、アクセシビリティやバリアフリーの理念に基づいた技術ですが、同時に音声合成技術の発展とも密接に関連しています。また、浅川智恵子はホームページリーダーの開発後、次に「aiBrowser」を手がけ、このソフトウェアもマルチメディアコンテンツに対応した音声ブラウザとして注目を集めています。

このようなソフトウェアは、今後も視覚障害者をはじめとする多くの人々に利用され、アクセシブルな情報社会の実現に寄与していくことが期待されています。

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