AELリマソール

AELリマソール：キプロスの名門総合スポーツクラブ

AELリマソール（Athlitiki Enosi Lemesou）は、キプロス・リマソールを本拠地とする総合スポーツクラブです。サッカーチームが特に有名ですが、バスケットボール、バレーボール、フットサル、ハンドボール、クリケットなど、多岐にわたる競技チームを擁しています。男子バスケットボールチームは、ヨーロッパの舞台で頂点に立った唯一のキプロスクラブであり、AELリマソール全体では240もの公式タイトルを獲得するなど、国内で最も成功したクラブとして知られています。

サッカーチームの歴史

1930年10月4日に設立されたAELリマソールは、1934年に初の全国選手権優勝を飾りました。これは非公式なものでしたが、翌シーズンから始まったキプロス・ファーストディビジョンでは創設メンバーとして参加。1940-41シーズンにはリーグ初優勝を果たしました。その後、1952-53シーズンに2度目の優勝を飾るも、しばらくタイトルから遠ざかります。1988-89シーズンのキプロス・カップでは、決勝でアリス・リマソールFCを破り、6度目の優勝を飾りましたが、その後20年以上主要タイトルを獲得できませんでした。

2011-12シーズンの奇跡

長らく低迷していたAELリマソールですが、2011-12シーズンに劇的な復活を遂げます。パンボス・クリストボウロウ監督の就任後、チームは開幕から好調を維持し、リーグ最少失点を記録。セカンドラウンドでも首位を堅守し、1967-68シーズン以来、44年ぶりとなるリーグ優勝を果たしました。この功績から、クリストボウロウ監督は「パンボウリーニョ」という愛称でファンから親しまれました。また、同シーズンはキプロス・カップでも決勝に進出しましたが、ACオモニアに敗れ、惜しくも2冠達成とはなりませんでした。

ホームスタジアム：トシリオン・スタジアム

AELリマソールのホームスタジアムは、14,000人収容のトシリオン・スタジアムです。このスタジアムは、アポロン・リマソールやアリス・リマソールFCとも共有しており、オリンピア・スタジアムとも呼ばれています。1975年に慈善家Petros I. Tsirosの支援によって建設され、彼の名がスタジアム名に冠されました。

熱狂的なサポーター

AELリマソールのサポーターは非常に熱狂的であり、その数はキプロス国内でも有数です。1984-85シーズンのキプロス・カップ決勝には約15,000人、2008-09シーズンの決勝には14,000人ものサポーターが駆けつけました。特に2008-09シーズンのチケットは、人口90万人のキプロスで15,000枚も売れ、そのうち9,000枚が1日で完売するという異例の事態となりました。中心的なサポーターグループは「SY.F.AEL」として知られています。

ボリス・ジョンソンもファン？

AELリマソールのサポーターはキプロス国内に留まらず、なんと現イギリス首相のボリス・ジョンソン氏もファンであるとされています。2011年にキプロスを訪れた際、ジョンソン氏は「君たちのサッカーはなんて愉快で楽しいのだろう。実に素晴らしい」とコメントしました。

獲得タイトル

トップチーム

キプロス・ファーストディビジョン: 6回 (1940-41, 1952-53, 1954-55, 1955-56, 1967-68, 2011-12)
キプロス・セカンドディビジョン: 1回 (1996-97)
キプロス・カップ: 7回 (1938-39, 1939-40, 1947-48, 1984-85, 1986-87, 1988-89, 2018-19)
キプロス・スーパーカップ: 4回 (1953, 1968, 1985, 2015)

U-21チーム

U-21キプロス選手権: 11回

U-17チーム

U-17キプロス選手権: 3回
* U-17キプロス・カップ: 1回

AELリマソールは、その長い歴史の中で数々のタイトルを獲得し、キプロスサッカー界に大きな足跡を残してきました。熱狂的なサポーターに支えられ、これからも更なる高みを目指していくことでしょう。

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