AGHARTA

AGHARTA：謎のベールに包まれた8人組音楽集団

日本の音楽シーンに、突如として現れた謎多き8人組バンド、AGHARTA（アガルタ）。彼らの正体は、後に日本の音楽界を代表する実力派ミュージシャンたちであることが明らかになります。当初は、謎の地底人集団を名乗るなど、徹底した秘密主義を貫いていました。活動初期には、顔を隠した姿で各地に出没し、人々の好奇心を煽りました。しかし、長野オリンピック閉会式や角松敏生のコンサートには素顔で登場するなど、その活動は多岐に渡ります。

メンバーと彼らの正体

AGHARTAのメンバーは、それぞれにナンバーが割り当てられ、001から008までが名を連ねます。

メンバーには、角松敏生（001、ギター）、中村キタロー（002、ベース）、浅野祥之（003、ギター）、友成好宏（004、キーボード）、春名正治（005、サックス）、田中倫明（006、パーカッション）、沼澤尚（007、ドラムス）、山田洋（008、コンピューター）という、実力派ミュージシャンが名を連ねていました。彼らは、自身の名前を伏せ、あえて知名度の低い新人バンドとして活動を開始しました。この企画は、有名ミュージシャンが名義を隠して新人バンドとしてデビューしたら、どの程度の話題になるのかを試す実験的な側面を持っていました。しかし、メンバーの正体が事前に漏洩したため、この計画は頓挫することになります。しかし、この予想外の展開が彼らの成功を決定づける要因ともなりました。デビューアルバムは、初回プレス1万枚が即完売するなど、大きな話題を呼びました。

代表曲「WAになっておどろう〜イレ アイエ〜」の衝撃

AGHARTAの名を世に知らしめたのは、何と言っても代表曲「WAになっておどろう〜イレ アイエ〜」です。この曲は、1997年4月・5月にNHK教育番組『みんなのうた』で放送されると、大きな反響を呼びました。同番組で初めて、1曲で5分間の放送枠をフルコーラスで使って放送された楽曲となりました。この世間の注目を集めたことがきっかけとなり、長野オリンピック閉会式での公式テーマソングへの抜擢という快挙に繋がります。

1998年2月22日、長野オリンピック閉会式のクライマックス。会場に突如として現れたAGHARTAは、前代未聞の生演奏を披露し、世界中の人々を驚かせました。当初は、演奏内容が事前に決められた出演依頼でしたが、角松敏生の強い希望により生演奏でのパフォーマンスが実現しました。

シングル「ILE AIYE 〜WAになっておどろう〜」は20万枚のヒットを記録、その後V6がカバーした『WAになっておどろう』はさらに大きなヒットとなりました。さらに、TOKIOによるカバー『TOK10』では、角松敏生がプロデューサー、ギター、コーラスとして参加しています。現在でも「WAになっておどろう」は、小学校のダンス授業などで広く使われるなど、世代を超えて愛される国民的な楽曲となっています。

その他の活動とディスコグラフィー

AGHARTAは、「WAになっておどろう」以外にも数々の楽曲を発表しています。2004年には、dream（現・Dream）が「WAになっておどろう」をカバー、2010年にはトヨタ・ノアのCMソングにも楽曲が採用されるなど、多方面で活躍を続けました。

彼らのディスコグラフィーは、シングル「ILE AIYE 〜WAになっておどろう〜」、「Yemaya〜何かをみつけよう〜」、「ILLUMINANT」、アルバム『AGHARTA I』『AGHARTA II』『ア・ガ・ル・タ』『REVENGE OF AGHARTA』など、数多くの作品を残しています。また、JIMSAKUのアルバム『DISPENSATION』にも参加するなど、幅広い活動を行っていました。

謎のベールに包まれた活動から、有名ミュージシャンたちが集結したプロジェクトとしての活動へと変化を遂げたAGHARTA。彼らの音楽は、世代を超えて人々の心に響き続けることでしょう。

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