AH-1 コブラ

AH-1コブラ(AH-1 Cobra)について



AH-1コブラは、ベル・ヘリコプター・テキストロン社が開発した攻撃ヘリコプターです。この機体は、1967年に実戦投入され、以降、数多くの戦闘でその能力を証明してきました。主に、ベトナム戦争や湾岸戦争で活躍し、戦闘ヘリとしての地位を確立しました。

概要



AH-1という名称は「Attack Helicopter 1」を略したものであり、世界初の本格的な攻撃ヘリコプターとして知られています。元々はUH-1ヘリコプターの改良型として開発されており、機体の設計においては、戦闘機特有のスリムな形状と高い機動性が追求されています。1950年代から1960年代にかけて戦争が激化し、米軍は新しい攻撃手段を求めていました。AH-1は、そのニーズに応える形で開発され、1965年に初飛行を果たし、1967年から実戦に投入されることが決まりました。

この機体は、軍用ヘリコプターとしては前乗り後席のタンデム式コックピットを採用しており、前席には射撃手、後席には操縦士が座ります。AH-1は、搭載武器として20mm機関砲に加え、BGM-71 TOW対戦車ミサイルなどの高火力の武器を装備し、攻撃力を大幅に向上させました。

開発経緯



1960年代初頭、アメリカ陸軍は本格的な攻撃ヘリコプターの開発を模索していましたが、アメリカ空軍の反対により、ガンシップ型の機体が検討されました。ベトナム戦争での戦訓から、改良型の攻撃ヘリコプターの必要性が高まり、ベル社は独自にヘリコプターの研究を進めました。1964年アメリカ陸軍は「新型空中火力支援システム(AAFSS)」計画を立案。その中で開発されたモデル209は、タンデム式コックピットやスタブウィングの特徴がありましたが、最終的にはAH-1Gヒューイコブラが暫定攻撃ヘリとして選ばれ、1967年から実戦配置されました。

特徴



AH-1の最大の特徴は、非常にスリムな胴体設計にあります。胴体幅はわずか99センチで、これによって速度の向上や被視認性の低下を実現しました。AH-1Gでは、最大速度278キロを記録し、運動性能が優れていることが確認されました。また、この攻撃ヘリは、地形に沿った低空飛行を行うために、地形を読み取る能力も必要とされ、大きな地形変動にも対応できるよう設計されています。

武装



AH-1は、機首下面に位置するターレットには、M134ミニガンやM129グレネードランチャーを備えており、更に中央部にはパイロンを用いた多様な武装が可能です。最大で700kgの兵装を搭載でき、戦闘において高い柔軟性を発揮しました。

改良と派生型



戦争終結後、AH-1は数々の改良を受けました。TOW対戦車ミサイルの導入や、エンジンの強化が行われ、AH-1SやAH-1Fといった改良版が登場しました。一方で、アメリカ海兵隊での運用のもと、AH-1W スーパーコブラ、AH-1Z ヴァイパーなどの派生型も誕生し、現役で活躍を続けています。

各国での運用



AH-1はアメリカ国内外で幅広く運用され、特にイスラエルやヨルダンなど、中東のいくつかの国でも採用されています。日本の陸上自衛隊では、ライセンス生産されたAH-1Sが一定数運用されており、改良型として今も現役で活動しています。

終わりに



AH-1コブラは、攻撃ヘリコプターとしての基礎を築いた機体であり、その能力は現在でも多くの国で評価されています。これまで数十年にわたり、戦場での運用を重ねている事実がその証拠であり、今後も多様な役割を果たしていくでしょう。

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