AHHHHH!

久保田利伸の代表曲「AHHHHH!」：電波少年との意外な繋がりと音楽的魅力

1998年9月18日、ソニーレコードより発売された久保田利伸の20枚目のシングル「AHHHHH!」は、単なるヒット曲の枠を超えた、数々のエピソードを持つ興味深い楽曲です。

この曲は、前作「Cymbals」から約1年半ぶりのリリースとなりました。そして、その誕生秘話には、人気バラエティ番組『進ぬ!電波少年』が深く関わっています。番組内の企画「電波少年的アフリカ・ヨーロッパ大陸縦断ヒッチハイクの旅」の応援歌として制作されたのです。 企画参加者のチューヤンが久保田利伸の大ファンであったことがきっかけで、松本明子からの依頼により実現したという、意外なエピソードも持ち合わせています。タイトルの「AHHHHH!」は、企画出発時に伊藤高史とチューヤンが発した叫び声から名付けられたとのこと。このユニークなエピソードが、楽曲への興味をさらに掻き立てます。

「AHHHHH!」は単なる応援歌に留まらず、大きな商業的成功も収めました。累計売上は約26.5万枚を記録し、久保田利伸の代表曲の一つとして広く認知されることになります。

楽曲のカップリングには、1988年発表のアルバムに収録されていた「Love Reborn」の、松尾潔によるリミックスバージョンが収録されています。オリジナルから20年以上の時を経て、新たなアレンジでシングルに収録されたことは、ファンにとって大きな喜びだったことでしょう。このリミックスバージョンは、オリジナルとはまた違った魅力を持ち、楽曲の世界観を広げる役割を果たしています。

さらに、「AHHHHH!」は日本のみならず、アジア圏でも大きな反響を呼びました。同年12月21日には、香港の著名俳優レオン・ライが、広東語でカバーしたシングルを発売。このことは、楽曲の持つ普遍的な魅力と、久保田利伸の音楽の国際的な評価の高さを示しています。

2005年8月24日には、マキシシングルとして再発売され、より多くのリスナーに届けられる機会が生まれました。これは、楽曲が時を超えて愛され続けていることの証左と言えるでしょう。

「AHHHHH!」は、様々なオムニバスアルバムにも収録され、現在でも聴くことができる機会があります。例えば、「最強!着メロ完全攻略大作戦 先取りゲット!最新ヒット編」、「最強!着メロ完全攻略大作戦 バカウケ!CM&主題歌編」、「LET'S!TRANCE SUMMER VACATION」といったオムニバス作品や、久保田利伸自身のベストアルバム『THE BADDEST III』、『THE BADDEST 〜Only for lovers in the mood』などに収録されています。また、「Love Reborn(KC'S“WHAT'CHA GONNA DO?”REMIX)」はオムニバスアルバム『SMOOTH』にも収録されています。

「AHHHHH!」は、単なる楽曲を超えた、様々な要素が複雑に絡み合った、まさに「奇跡のシングル」と言えるでしょう。その背景にあるエピソード、音楽的クオリティ、そして時を超えて愛され続ける普遍的な魅力は、これからも多くのリスナーを魅了し続けることでしょう。

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